理想的なピッチングフォームかスマホでチェックしてみよう(その2)

今回は球速が出やすいフォームか簡単にチェックする方法についてお話しします。


速いボールを投げるために必要なことはいろいろありますが、その1つに全身のしなりを使ってリリースをするということが挙げられます。


今回はそのしなりをピッチング中に作り出すことができているのか簡単に確認することができる内容になっています。


球速を上げたいからといって肩や肘だけでひねってしまうと、ケガにつながる危険性が高くなります。


この記事では、ピッチングフォームのチェック方法だけでなく、体にかかる負担が少なく、理想的なしなりを作るためにはどうすればいいのかについても話していきます。


球速アップを目指したい選手はぜひ参考にしてください。

理想的なピッチングフォームを作るには連動性が大切

しなりのチェックをする前にいくつかの注意点があるので、まずはそちらをご覧ください。

「しなり」は前の動作が正しくないときれいに出ません

今回フォーカスするのは「全身のしなり」です。


このしなりが深いほど球速が速いという研究データ1〜4)がたくさん出ていて科学的な根拠に裏付けられたパフォーマンスと直結する項目になります。

しなりを理想的に作り出すことができているチェックしていく前に注意点があります。


このサイトでよく説明をするのですが、ピッチングは連続的な動作です。

もし、投球動作の前半部分に動きの問題があるとすれば、リリース直前に深いしなりを作ることはできません。

ピッチング動作の前半で間違った道を進んでしまうと、そのままその道を突き進むことになり、最終的にゴール(高いパフォーマンスを発揮)に到着することはできません。


そのため、まずは全身がしなる前段階の動作になるステップ足が地面に着地した瞬間の形が理想的であるか確認してください。


そちらのフォームチェック方法は以前の記事でまとめているのでそちらを参考にしてください。

また、インステップが強い選手は深いしなりを作るのが難しくなります。

少年野球でインステップがなかなか直らない選手は多いと思います。


インステップを修正する方法は下の記事で紹介してますので、インステップの選手はまず、そのトレーニングから行ってください。

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理想的なしなりを作れているかフォームチェックしてみよう

前置きが長くなりましたが、これから自分のピッチングフォームをチェックをしていきましょう。

やり方はコレ
  • 真横からピッチングフォームを撮影します
  • 一番腕がしなった瞬間を見ます
  • 肘から先がプレートに対して垂直になっているか

1番腕がしなる瞬間がだいたいどのあたりのフェーズなのか説明します。

ピッチング動作ではステップ足が着地してからしなりが始まります。

これはしなりの途中です。

これが1番しなっている瞬間です。


このときに肘から先がプレートに対して垂直になっているかというのは

真横から見てこのように平行になっているかということです。

こんな感じで肘が写真の手前側にあれば、しなりが浅くて球速が出にくい投球フォームです。


しなりは肩関節の外旋という角度なのですが、肘から先の位置を見れば、この外旋角度を作り出せているのかを間接的にチェックすることができます。

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肘の角度が直角になっているか見てみよう

もう一つのチェック項目を紹介します。

やり方はコレ
  • 真横からフォームを撮影します
  • 一番腕がしなった瞬間を見ます
  • 肘の曲がり角度が大体90°になっているか

上の写真で前腕が赤い線上くらいにあるのが理想です。


このピッチャーの場合、少し肘の曲がり角度が小さい(伸びるのが早い)ことになります。

肘の曲がりが大きいと肩に負担がかかりやすい?

このチェックをしたときに90°を超えて肘が曲がり過ぎている場合は肩にかかる負担が大きくなる5)といわれているので、もし肘の曲がりが大きく、肩のケガをしている選手はピッチングフォームを見直すといいかもしれません。

肘の曲がりが小さいと球速が出ません

反対に肘の曲がりが小さい場合は、一番腕がしなったときに肘から先が開放されてしまい、パワーロスしてしまっていることになります。


その結果、リリースの瞬間にボールに力を伝えきれず、球速が出にくいピッチングフォームになってしまいます。

【重要】しなりの作り方についての注意点

最後に、ピッチングフォームを修正してしなりを作ろうとするときに気をつけてほしい点について話をします。


さきほどしなりは肩関節外旋の動きということを説明しましたが、肩関節の単独の動きではなく、下に挙げる部位や関節も柔軟に動かす必要があります。

ポイント
  • 肩甲骨
  • 肋骨周り
  • 股関節(特に、ステップする足) 

これらの柔軟性はピッチャーにとってものすごい重要です。


「肩をしならせればいいんだ」と思って腕だけを無理にひねるとケガのリスクがものすごく高くなります

まずは全身の柔軟性を高めるようにしましょう。


お尻周りのトレーニング&ストレッチはこちらを参考にしてください。お尻周りが柔らかくなることで回転運動をスムーズに行いやすくなり、理想的なしなりを作りやすくなります。


肩甲骨周りのトレーニングはこちらでまとめています。

数種類のトレーニングを紹介していますが、今回お話したしなりにつながるところでは「肋骨可動域トレーニング」がオススメです。


また、ピッチング動作は【割れ】→【しなり】へと移行していきます。

そのため、理想的な割れができていなければ、深いしなりにつながりません。


割れを作るための肋骨を中心とした可動域トレーニングは以下の記事で動画を使った紹介していますので、そちらも行うようにしましょう。


やるべきことがたくさんありますが、全身の柔軟性があってはじめて理想的なしなりを作りだすことが可能になります。

チェックするときの注意点

今回のチェック項目は研究データの数値とぼくの経験則を踏まえてまとめたものですが、写真でのフォームチェックは正確無比ではありません。

参考程度にチェックしてもらうようにお願いします。それよりも深いしなりを作るために必要な柔軟性などの運動機能を高めていくほうが大切です。

まとめ

球速が出やすい理想的なピッチングフォームか確認する方法について紹介しました。

真横から自分の投球フォームを撮影して

  • 肘から先がプレートに対して垂直になっているか
  • 肘の曲がり角度が大体90°になっているか

チェックしてみましょう。


しなりが深いほど球速が出やすいのですが、そのためには全身の柔軟性が高いことが大前提になります。

  • 肩甲骨
  • 肋骨周り
  • 股関節(特に、ステップする足) 

このあたりを中心に柔軟性を高めるようにして肩・肘で無理やりしなりを作ることはせず、理想的なピッチングフォームを手に入れることを目指してトレーニングをしていきましょう。

Reference

  1. Kinematic and kinetic comparisons between American and Korean professional baseball pitchers.Sports Biomech1(2).2002.213-228.
  2. Effect of pitch type, pitch count, and pitching mechanics on risk of elbow and shoulder pain in youth baseball pitchers.Am J Sports Med30(4).2002.463-468.
  3. A method to determine stride length for baseball pitching.Appl Res Coaching Athletics17.2002.75-84.
  4. Baseball Pitching Biomechanics in Relation to Injury Risk and Performance.Sports Health 1(4).2009.314-20. 
  5. The biomechanics of baseball pitching.University of Alabama.1994.