理想的なピッチングフォームかスマホでチェックしてみよう(その1)

今回はスマホを使ってピッチングフォームが理想的であるかどうかを簡単にチェックする方法を紹介していきます。


ステップした足が地面に着地した瞬間を切り取って以下の4つのポイントを見ていきます。

  • つま先の向き
  • 肘の高さ
  • 左手の位置
  • ステップ幅

それぞれ140km/hオーバーなどハイパフォーマンスを発揮するために必要となる理想的な型や角度があります。

今回はそのチェックポイントの見方と理想的な位置にない場合のデメリットについて説明していきます。


ぜひ自分の投球フォームを撮影してチェックしてみてください!

ステップ足が着地した瞬間の形はとても大切

ピッチングフォームのチェックを行う前になぜステップ足が着地した瞬間を切り取るのかについて簡単に話します。

速いボールを投げるには、骨盤・下半身→上半身へと全身が連動しながら高速で加速して最終的にリリースでMaxの力を出せなければいけません。ステップ足が着地した瞬間は体重移動が終わって骨盤・下半身からの回転運動に切り替わる瞬間ですが、  このときの形がよくないと回転運動で全身が連動せずに球速が出にくいand肩・肘にかかる負担が増えることになってしまいます。

速いボールを投げるためには

骨盤・下半身→上半身へと全身が連動しながら高速で加速して
最終的にリリースの瞬間にMaxの力をボールに伝えなければいけません


ステップ足が着地した瞬間は体重移動が終わってキャッチャー方向への回転運動に切り替わる瞬間ですが、このときの形がよくないと回転運動で全身を効率よく連動させることができず、球速が出にくいピッチングフォームになってしまいます


そのため、ステップ足が着地した瞬間でいくつかのポイントを見れば、理想的なフォームであるかどうかある程度判断することができます。


これから1つずつ一緒に見ていきましょう!

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左足のつま先の方向を見てみよう

つま先がほんの少し閉じているのが理想

まず、1つ目は左のつま先の向きです。  チェックポイントはこれです。  やり方はコレ
つま先がキャッチャー方向を向くかほんの少し閉じ気味1)(右バッター方向)になっているかキャッチャー側からフォームを撮影すると分かりやすいので正面からフォームを撮影してチェックしてみましょう。

まず、1つ目はステップ足のつま先の向きです。

チェックするポイントは以下の通りです。

やり方はコレ

つま先がキャッチャー方向を向くかほんの少し閉じ気味1)(右バッター方向)になっているか


つま先が閉じすぎていると回転運動の途中で動きが止まりやすくなり、リリースまで力を伝えることが難しくなります。

反対につま先が開きすぎていると開きが早いフォームになってしまうので、理想的なフォームとはいえません。


キャッチャー側からフォームを撮影すると分かりやすいので、正面から投球フォームを撮影してチェックしてみましょう。

つま先の向きで「割れ」が決まる?

つま先がキャッチャー方向に向けて着地することができると骨盤とへそ周りはそれにつられて少し回転を始めます。

このときに体幹の上半分はまだ回転をしていないのがとても大切で体幹の上半分と下半分のねじれる動きがいわゆる「割れ」につながります。


このときに体幹の上半分はまだ回転をしていないのがとても大切で体幹の上半分と下半分のねじれる動きがいわゆる「割れ」につながります。


ユニフォームの胸のロゴがきちんと三塁側を向いているかも確認してみてください。


もし、胸のロゴが真横を向かずに回転を始めていれば、開きが早いフォームで「割れ」も作れていないことになります。


ピッチングフォームをチェックしてみると、割れができていない選手はとても多いと思います。

割れというと腰の回転をイメージする方が多いと思いますが、割れを作るためには胸椎という腰上の背骨の可動域がとても大切になります。

割れについては下の記事で詳しく説明していますので、割れができていない選手はそちらもご覧ください。

つま先が開くと肩と肘にかかる負担が増える!

つま先が開いて着地してしまうと肩・肘にかかる負担が大きくなる3)といわれています。


これはつま先が開いて着くことで開きが早いフォームになり、回転運動を連動して行うことができず、最終的に肩・肘だけに頼ったリリースになるからです。

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肘の高さでフォームチェック

肩と肘が同じくらいが理想

肘の高さを見てみましょう。  ポイントは以下の通りです。  やり方はコレ
肘が肩とくらべてほとんど同じ高さ1)に上がっているかどうか  肘の位置が肩より少し低いぐらいは問題ないのですが、明らかに肘が上がってきていない選手はフォーム修正する必要があります。

次は肘の高さを見てみましょう。


チェックするポイントは以下の通りです。

やり方はコレ

肘が肩とくらべてほとんど同じ高さ1)に上がっているかどうか

肘の位置が肩より少し低いぐらいは問題ないのですが、明らかに肘が上がってきていない選手はフォーム修正する必要があります。

肘は上がりすぎても下がりすぎてもダメ

肘が肩と「同じくらい」の高さというのがポイントで肘が上がりすぎているのもよくありません。


肘が上がりすぎた状態で回転運動が始まると肩に負担がかかりやすく、SLAP損傷などの野球肩につながりやすくなってしまいます。


少年野球ではどうしても肘が下がってしまう選手が多いのではないでしょうか。

肘が下がってしまう原因は様々あり、やみくもに「肘を上げろ!」と指導してピッチングフォームが改善することはほとんどありません。

むしろ、肘を上げるようにいわれた選手はテイクバックで肘を無理やり持ち上げようとしてフォームが崩れる危険性があります。


大切なのは肘が下がってしまう根本的な原因をまず知り、その上で原因に対するアプローチを行うということです。


肘が下がってしまう原因については下の記事で詳しく紹介していますので、そちらを参考にしてください。

左手(グラブ側)の位置について

左手(グラブ)が自分を向くようにしよう

左手(グラブ側)の位置を見てましょう。  グラブ側の使い方もパフォーマンスを高めるためにとても大切です。グラブのキャッチする側が自分を向いているか

次は左手(グラブ側)の位置を見てましょう。


グラブ側の使い方もパフォーマンスを高めるためにとても大切です。

やり方はコレ
  • グラブのキャッチする側が自分を向いているか
  • 左肩越しにキャッチャーを見ているか


まず1つ目から説明していきます。


ステップ足が着地するまでに左手は

  • 壁を作って体を突っ込まないようにする
  • 壁を作って体の開きを抑える

などピッチングフォームの中でとても重要な役目をしています。


左足が着地した瞬間にグラブが自分を向いていることでこの壁を作りやすくなります。


左手(グラブ)の使い方はもう少し細かいポイントがあり、下の記事でそのあたりにふれていますので、もしよければご覧ください。

左肩越しにキャッチャーをみよう

2つ目の  左肩越しにキャッチャーを見ているか
について説明します。  さきほど重心移動での左手の役割は壁を作ることとお話ししましたが、  重心移動が終わったあとの回転運動では  左手の役割が  「高速で全身を回転させるためのガイド役」  に変わります。左手を力強く引いて全身の回転を誘導することで鋭いターンが可能になり、球速がアップします。

次に2つ目の左肩越しにキャッチャーを見ているかについてです。


さきほど重心移動での左手の役割は壁を作ることとお話ししましたが、体重移動が終わったあとの回転運動では左手の役割が

「高速で全身を回転させるためのガイド役」

に変わります。


左手を力強く引いて全身の回転を誘導することで全身の鋭い回転運動が可能になり、球速がアップしやすくなります。


ステップ足が着地した瞬間はその準備段階になります。


左肩が若干前に出て左肩越しにキャッチャーを見ることによってグラブ側の肩甲骨を使いやすくなり、回転運動が始まったときに左手をより力強く引きやすくなり、体の回転がスムーズにしやすくなります。


細かいところですが、とても重要なポイントになります。

ステップ幅について

ステップ幅が広いほど球速が速い

ステップ幅は広いほど球速が出やすい3)というデータが出ています。  ただ、ステップ幅が広いほど  ポイント
下半身の力や全身の柔軟性がないと体をスムーズに回転させることができません  そのため、無理にステップ幅を広げることはおすすめしません。自分の体を操作しやすいステップ幅を見つけていくのがいいと思います。

最後はステップ幅についてです。

ステップ幅は広いほど球速が出やすい3)というデータが出ています。


ただ、ステップ幅が広いほど

ポイント

下半身の力や全身の柔軟性がないと体をスムーズに回転させることができません


そのため、無理にステップ幅を広げることはおすすめしません。自分の体を操作しやすいステップ幅を見つけていくのがいいと思います。

ジュニア選手の注意点

ジュニア選手の場合、下半身の力が弱くステップ幅を無理に広げると体の回転をうまくできずに肩・肘や腰にかかる負担が大きくなってしまいます。


歩幅の目安としては身長の66%〜85%程度が理想的といわれています1)


身長160cmの選手を想定してみましょう。


身長の85%を計算すると136cmになります。


次に足の長さを25cmとして何歩分か計算すると5.44になるので大体5歩半ぐらいが理想となります。


結構せまい印象があるかもしれませんが、パワーが少ないジュニア選手ではこのくらいがいいのかもしれません。


ただ、投げやすいステップ幅は選手によって結構差があるのであくまで参考程度にしてください。

まとめ

ステップ足が着地した瞬間でのフォームチェックのポイントを紹介しました。


回転運動が始まる直前のフェーズなのでこの瞬間のピッチングフォームが理想的な位置になりとハイパフォーマンスを発揮することはできません。

今回は以下のチェック項目について説明しました。

  • つま先の向き
  • 肘の高さ
  • 左手の位置
  • ステップ幅

どれも大切なポイントで理想的な位置にないとケガのリスクも高くなってしまいます。


今回のチェックポイントを参考にして理想的なピッチングフォームを手に入れらるように日々のトレーニングに取り組んでください!

Reference

  1. Baseball Pitching Biomechanics in Relation to Injury Risk and Performance.Sports Health 1(4).2009.314-20. 
  2. The biomechanics of baseball pitching.University of Alabama.1994.
  3. Optimal shoulder abduction angles during baseball pitching from maximal wrist and minimal kinetics viewpoints.J App Biomech.18.2002.306-320.
  4. Youth Baseball Pitching Mechanics: A Systematic Review.Sports Health.2017.1-8.