投球で【テイクバック】がうまくいかない少年野球選手必見!小学生でも簡単にできる修正ドリル7選
少年野球の投球フォームを見ているとテイクバックでスムーズに腕が上がらない選手がとても多いと思います。
テイクバックを改善することで投球フォームが安定してコントロールよくボールを投げることができ、球速も上がりやすくなります。
今回、小学生でも簡単にできるテイクバック修正ドリルを7つ紹介していますので、ぜひ普段の練習に取り入れてみてください。
ボールを投げるときに正しいテイクバックができないと腕の動きがぎこちなくなり、コントロールが定まらないだけでなく、肩や肘にかかる負担が大きくなってしまいます。
また、速いボールを投げることも難しくなってしまいます。
少年野球ではテイクバックを上手にできない選手がとても多いのですが、その原因は腕の筋力が足りないからではありません。
だって、周りを見ると同じような体格の同級生でも、上手に投げられている子はたくさんいますよね?
小学生がきれいなフォームでボールを投げられるかは筋力などの体力的な要素よりも基本的な体の使い方をマスターできているかが重要
小学生のうちにボールを投げるために必要な根本的な体の使い方を習得していないと、間違った体の使い方がクセになってしまい、中学生以降でフォーム修正しようと思ってなかなかうまくいきません。
正しい体の使い方をマスターするためには、なるべく早い時期から投球動作ドリルを反復して取り組む必要があります。
しかし、小学生に頭ごなしに「腕を上げろ」とかいっても投球フォームはよくなりません。
それは、選手自身は腕を上げて投げているつもりでも、腕を上げるための動作プログラムが脳にインプットされていないからです。
基本的かつ正しい動作を無意識に身につけさせてあげることがジュニア選手の指導をするうえでとても大切です。そのためには投球動作ドリルがとてもオススメです。
ということで今回は少年野球の選手向けにを正しいテイクバック動作を自然に習得するための専用ドリルを紹介します。
- 腕を上げるときに背中に入りすぎる
- 腕の上げ方がぎこちない
- コントロールが悪い
少年野球の指導者の方、また、我が子がボールを投げる姿を見てこんなことが気になる方はぜひ見ていただきたい内容です。
芹田祐(セリタタスク)
理学療法士として整形外科病院・整形外科クリニックなどに10年ほど勤務。野球現場では小学生からプロ野球まで幅広い年代の選手に対して述べ1000名以上のリハビリテーション・トレーニング指導経験あり。
保有資格
理学療法士/認定理学療法士/JARTA認定トレーナー/国際認定シュロスセラピスト/修士(医科学)
この記事の目次
テイクバックで腕が背中に入りすぎていませんか?
少年野球で相手にコントロールよくボールを投げることがなかなかできない選手のフォームをチェックするとテイクバックで腕が背中に入りすぎているケースがとても多いです。
- ステップ足が閉じている
- 開きが早い
- テイクバックで背中に腕が入りすぎる
など代表的な改善すべき投球フォームの問題点を15個ピックアップしてどのくらいの割合の選手が当てはまるのか調べた研究があります。
その調査結果は以下の通りだったそうです。
投球側の肘の過度な後方引き込みをして投球している選手は74選手のうち24選手であった。
引用:投球肩障害に対する投球フォーム矯正を中心とした保存療法の効果|肩関節24巻第3号
実に全体の32.4%にもあたる選手がテイクバックで腕を背中に引きすぎていることになります。
それだけ、テイクバックに課題がある選手は多いのです。
腕が背中側に入りすぎると、スムーズに肘が上がりきらずに肘の位置が低くなりやすくなってしまいます。
肘の位置が低くなると、下半身・体幹の回転に対する腕の連動が弱まり、下半身と上半身がバラバラなフォームとなり、コントロールが安定せず、速いボールを投げることもできません。
逆に、テイクバックがぎこちないように見えても、肘が下がっていなければ、投球フォームとしてそこまで大きな問題はないので、投球フォームを無理に矯正する必要はないと思っています。
テイクバックがぎこちない→肘が下がってしまう
この場合はテイクバックを修正する必要があります。
肘が下がっているか確認するときは
- トップでの肘下がり
- リリースポイントでの肘下がり
この2つのフェーズでそれぞれチェックする必要があります。
なぜ、2つのポイントで肘が下がっている確認するべきなのかは下の記事でくわしく解説していますので、そちらを参考にしてください。
この記事では
- 肘が下がるとなぜいけないのか?
- スマホで簡単チェック法
- 肘が下がってしまうその他の原因
このあたりについても紹介しています。
少年野球にオススメ!自然なテイクバックを習得する簡単ドリル
それではテイクバックドリルを紹介していきます。
少年野球で基本的な股関節の使い方を必ず覚えよう
テイクバックをとれていない選手の特徴をみると、腕の使い方ではなく、股関節・骨盤・体幹をうまく使いこなせていないケースがとても多いです。
少年野球の時期に腕の使い方だけでなく、全身の基本的な動作を身につけることがとても大切になります。
股関節などがうまく使えないとインステップやアウトステップなどにもつながりやすくなります。
特に、少年野球の選手はインステップで投げている選手がとても多いので注意が必要です。
このあたりの細かい解説は以下の記事が参考になりますので、ぜひそちらも目を通してみてください。
股関節チョップ
ということで、まずは股関節・骨盤の使い方を習得する簡単ドリルです。
- リズムよく両手を股関節の付け根に当てる
- 1,2,3のときにお尻を引き込む
- お尻をひきこんだときに体幹が直立せずに前傾姿勢をとる (15回×3セット)
シンプルな動きですが、少年野球ではうまくできない子がものすごい多いです。
特にお尻を引き込んだときに後ろに倒れそうになる選手がたくさんいます。
その場合は体幹が直立したままで骨盤を前傾できていないので、正しいやり方で行うようにしてください。
- 膝はほとんど動かない(特に膝が前に出ないように注意!)
- お尻を引き込んだときに体幹が前傾になる
- お尻を引き込むときはストンと力を抜くイメージで行う
抜重バックステップ
股関節チョップを正しい形でできるようになったら抜重バックステップをやるようにしましょう。
- 片足立ちになる
- 軸足の付け根を股関節チョップと同じで1,2,3とリズムよく叩く
- 叩いた3回目のときに軸足を脱力する
- その瞬間に上げている反対足を後ろに引く
- 後ろに引いた足を地面に着地する。そのときに体幹は前傾姿勢にする (15回×3セット)
股関節チョップより難易度が上がります。
- 軸足を脱力する
- 手順4〜5では軸足のお尻で体を支えるイメージ。軸足のお尻に力が入っていればOK!
少年野球選手は遊び感覚で基本的な投げ方を身につけよう
次は基本的な腕の使い方を身につけるドリルです。
小学生にフォームがあーだこーだいってもあまり伝わりませんし、本人がフォームを気にしすぎるのが1番よくありません。
ドリルを行うことで自然に投げ方の基本をマスターできるようにしましょう!
リズムテイクバック
まずは下半身との連動は考えずに腕だけをぐるぐる回します。
- 腕を体の前→2塁側→トップの順にぐるぐる回す
- 2塁側に回すときは小指からスッと持ち上げる
- トップでは腕の力を抜いて肘を曲げる (20往復)
- リラックスして腕を回す
- 体の前から2塁側に腕を回すときは腕の力を抜いて腕を落とすイメージで行う
抜重テイクバック
リズムテイクバックができるようになったら、下半身を連動させるようにしましょう。
- 股関節の力を抜くと同時に腕も落下させる
- テイクバックで背中側に腕が入りすぎないように小指をセカンドベース方向に向けて上げるようにする
- 股関節チョップでお尻を引き込んだときと同じ要領でスッと力を抜いてそれに合わせて腕を落下させる
- 下半身の力を抜いたときに膝がカクっと前に出ない!お尻を少し引き込む動きを出していく
テイクバックリリース
- 軽いボールを持ってシャドーピッチングをする
- テイクバックは今までと同じで小指をセカンドベース方向に向かってスッと上げる
- テイクバックの途中でボールを離す
- 離したボールが1塁ベース(左投げは3塁ベース)方向に飛んでいくのはNG!
- まっすぐ2塁ベース方向に飛んでいく必要はないが、おおよそ2塁ベース方向に向かって飛んでいくようにする
少年野球選手にオススメするその他の基本的なスローイングドリル
テイクバックをきちんととれるようになっても、しなりの動きをうまく作れないと基本的な投げ方を身につけたことにはなりません。
これから紹介するスローイングドリルも行うようにしましょう!
しなりを上手に作れるようになろう
今回は2つのメニューを紹介します。
しなりスロー
- ボール(おもちゃボールでOK)投げる腕はトップの位置に置いておく
- 軽く足を上げて腕をふる
- 体を回転させたときにボールを離す
- 離したボールが体に当たらなければOK!
- しなりを作れない選手は離したボールが体に当たってしまいます
- 投げるときに腕が力んでしまう選手は体の回転に腕がついてきてしまい(開きが早い)、離したボールが必ず体に当たります
バドミントンスロー
しなりスローがうまくできない選手はバドミントンスローからはじめてください。
- しなりスローと同じでトップの位置から開始する
- 腕をなるべく大きく振る
- ラケットのヘッドをギリギリまで背中に置いておく
- ラケットのヘッドが体幹の回転と同時に背中から離れる選手はしなりを作れていません
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この記事を読んでくださった方は少年野球をしているお子さんをお持ちの保護者さんが多いと思います。
- 我が子に野球のアドバイスをしてあげたいけどどうすればいいかわからない
- 子供の投球やバッティングフォームの悪い所はわかっているけど修正方法がわからない
- 自分自身が野球経験がないので、基礎から学んでみたい
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まとめ
今回、自宅でも簡単にできる基本的な投げ方を身につけるためのテイクバックドリルを紹介しました。
少年野球のうちに野球選手に必要な基本的な動作を身につけておかないと、年齢が上がるにつれてフォーム修正するのが難しくなっていきます。
紹介したドリルは選手本人がフォームを修正しようと意識しなくても自然に投げ方の基本を身につけることができるメニューです。
今回話したやり方やポイントをきちんと押させてトレーニングを行うようにしてください!
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