ピッチャーは必ずやるべき【前屈ストレッチ】その理由と簡単メニュー4選!
「ストレッチを頑張ってやってるけど前屈が全然柔らかくならない・・・」
「前屈で床に手が届かないんだけど・・・」
こんな選手多いのではないでしょうか??
前屈が固いのはピッチャーとして致命的です。
ピッチャーをするならば、もしくはしているなら前屈は必ず柔らかくする必要があるのですが、前屈の可動域に影響を及ぼす太もも裏の筋肉はとても固くなりやすい特徴を持っています。
今回はそんなガンコな固さを持つ筋肉を効率よく伸ばすストレッチを4種目紹介します。
たった4種目ですが、継続してやれば必ず柔らかくなりますので一緒にやり方をチェックしていきましょう!
この記事の目次
特殊なストレッチを使って短期間で柔らかくしよう!
今回、相反抑制という特殊なストレッチを行っていくのですが、まずはその特徴について話ししていきます。
少しややこしい話になりますが、ぜひ頑張って読んでみてください!
上の写真のような伸びるところで体をしばらく止める柔軟体操ありますよね。このストレッチはスタティックストレッチといわれますが、筋肉をゆっくりと伸ばすことで腱紡錘といわれる筋の張力を感知するセンサーが作動します。
そのセンサーは筋肉を緩めるように指令を出すのでゆっくり時間をかけて行うことで徐々に筋肉が柔らかくなっていきます。(1b抑制、自己抑制といいます。)
ただ、この腱紡錘を利用した柔軟体操は
- 筋肉をゆっくり伸ばすことができないと腱紡錘の前に筋紡錘(このセンサーは筋肉に力を入れてしまう)という別のセンサーが反応してしまい、余計に筋肉がこわばってしまう。
- 筋肉がかなり固い選手ではそもそも前屈体操の姿勢をとることができず、筋肉を伸ばしている感じを実感しずらい。
などのデメリットがあります。
それに対して今回行う相反抑制を用いるストレッチは伸ばしたい筋肉(太もも裏)の反対にある太もも前の筋肉に刺激を入れていきます。
そうすることで
- 太もも裏側の筋肉を緩める指令がどんどん出てくる
- 筋肉が収縮することで筋肉が温まりやすくなる
- 筋肉の収縮によって血液循環もよくなる
などの好反応が起きて効率よく筋肉を柔らかくすることができます!
短期間で効果が出せるとてもお得なストレッチになります。
また、体を動かしながらのストレッチなのでトレーニングの一環としてとても取り組みやすいのも良い点です。
小学生ぐらいだと「このストレッチ家でやろうね!」といってもあまりしてくれませんが、「このストレッチトレーニングすると野球うまくなるよ!」というと真剣に取り組んでくれます。
今回紹介するストレッチはただの柔軟じゃなくて
「うまくなるためのトレーニング」
これからピッチャーに必須となる前屈ストレッチを紹介していくのですが、前屈の可動域が柔ければ、柔軟性は完璧!というわけではありません。
ピッチング動作は全身の可動域をフルに使うことで、しなりや加速を生み出します。
そして、生み出されたパワーを最終的にリリースの瞬間に100%にして発揮することで速いストレートを投げることが可能になります。
そのため、ピッチャーは今回紹介する前屈だけでなく、全身のストレッチを毎日頻回に行う必要があります。
このブログでは今までに様々な部位のストレッチ(ピッチャーに必要なメニュー)を紹介しています。
下にまとめて載せておきますので、合わせて行うようにしましょう!
特に、お尻周りのストレッチはぜひ日々のケアで実践してほしいです。
ジャックナイフストレッチ
一つ目はジャックナイフストレッチです。
- お尻を下まで下げてしゃがみます。このとき両手はくるぶしを持ち、お腹と太ももをつけます。
- お腹と太ももをつけたままお尻だけを持ち上げていきます。
- お腹と太ももをつけたまま上がるところまでお尻を上げます。
ジャックナイフストレッチのポイント
- ストレッチをしている間はずっとお腹と太ももが離れない
- 腹と太ももをつけたままお尻を持ち上げるので、膝は伸び切らなくてもOK
- お尻をMAXまで持ち上げる
お尻を持ち上げたときにお腹と太ももが離れやすくなるので注意しましょう。
また、お尻をおろして最初の位置に戻るときは一番下まで下げるようにしましょう。
お尻を下まで下げようとしたときに、股関節・体幹の柔軟性が少ない選手は後ろに倒れてしまいます。
その場合は踵を少し浮かしてもいいので、お尻を元の位置にしっかり戻すようにしてください。
太もも前の筋肉を使って太もも裏をどんどんゆるめよう!
ジャックナイフストレッチは太ももの裏側にあるハムストリングスという筋肉を伸ばすストレッチです。
太ももの裏側が伸びる感じに加えて太もも前側の筋肉を使っている感じが出てくるのが理想です。
相反抑制を使ったストレッチなので伸ばす筋肉の反対側にある太もも前側の筋肉に刺激がたくさん入れば、その分ハムストリングスは緩みやすくなります。
ジャックナイフストレッチの回数目安
初心者
・10回×3セット
慣れてきたら
・15回×3セット
上記回数を目安に行うようにしてください。
今回ご紹介する前屈ストレッチは3種目全てをセットで行うことで効率的に柔軟性アップを図ることができるようになっています。
そのため、これから紹介する残り2つのストレッチと合わせて行うようにしてください。
キックストレッチ
二つ目はキックストレッチです。
このストレッチも太もも前側に刺激(キックする動きで太もも前を使います)を入れることで
太もも裏側を伸ばしていきます!
- 仰向けで寝てなるべく足を曲げて膝の裏を抱えるようにして持ちます。
- 膝の位置を変えずに軽くキックするようにして膝を伸ばしていきます。
- 伸びるところまで膝を伸ばします。無理やりキックしないように注意してください。
ポイント
- キックするときに膝の位置が変わらない
- 無理やり膝を伸ばさない。
膝の位置が下がってしまうと、太もも裏のストレッチ加減が甘くなってしまいます。
しっかりと手で膝の裏を持って固定するようにしてください。
キックストレッチで意識する筋肉
伸ばす筋肉はジャックナイフストレッチと同じで太もも裏です。
相反抑制を利用しているので太もも前を使ってキックする意識で行うようにしてください。
キックストレッチの回数目安
・30回×3セットずつ(両足順番にやる)
ボウストレッチ
- 膝は伸ばしたままで背中をまっすぐにする。足は肩幅程度
- 姿勢よくお辞儀をする。背中が丸まらないようにする。
- 背中だけのお辞儀にならないようお尻から動かすようにする 15回×3セット
- 太もも裏〜ふくらはぎにかけて伸びる感じがあればOK!
フォロースルーストレッチ
最後はフォロースルーストレッチです。
実際に投球フォームの中で太もも裏側をストレッチしつつ可動域を広げていきます。
基礎的なストレッチをしてそれをピッチングの動作の中に組みこんでいくのはパフォーマンスアップのためにとても重要なプロセスです。
いくら柔軟性が上がったとしても実際のピッチングでその可動範囲が生かされなければ意味がないですからね!
ではやり方をみてみましょう。
- 左手はテーブルなどの台の上に乗せて安定させます。右手はリリースの位置に構えます。
- フォロースルーをとるイメージで腕を振り下ろしていきます。
- フィニッシュに向かって腕を振り下ろします。
- 左足の横を通過します。
- フィニッシュの形をとり、その位置で5秒間ピタッと止まりましょう。
やってみると分かるのですが、太ももの裏側が固い選手は5でフィニッシュの形をとることはできません。
かなりつっぱる感じが出ると思うので、少しずつ全身を動かして可動範囲を広げていきましょう。
太ももの裏側がつっぱってフィニッシュの形ができない選手は、ピッチング中も太もも裏の筋肉が固く、最後まで体を使いきれていない可能性大です。
フォロースルートレーニングで全身を大きく使おう
- 腕だけを振り下ろすのはダメで全身を巻き込んでいく
- フィニッシュでは肩甲骨がキャッチャー方向を向く
- フィニッシュで右足の裏は天井を向くまで回す
右足の裏を天井に向ける理由は右足がしっかり動くことで体全体を大きく使うことができるようになるからです。
イメージとしては、レバーの取っ手(写真の黒い部分)です。
黒い取っ手を手前側に引く(右足の裏が上向きになる)ことで体全体もクルっと回転して全身をダイナミックに動かすことができます。
逆に、右足の動きが弱いと体全体の回転も少なくなり、腕だけに頼ったフォロースルーになってしまいます。
大谷選手のフィニッシュの形をみてみるとしっかり右足の裏側が天井を向いていますよね。
フォロースルートレーニングの回数目安
・15回×3セット
フォロースルートレーニングは可動域が広がった状態でやらないと全然うまくできないので、先にジャックナイフストレッチとキックストレッチを3セットずつ行い、可動域を広げた状態でチャレンジするようにしてください。
まとめ
太ももの裏側が固いと、投球フォームのフィニッシュで筋肉がつっぱってしまい、体全身を使ったダイナミックなフォームで投げることができません。
今回紹介した相反抑制を利用したストレッチでは
- ガチガチに固い選手でも効果が出やすい
- トレーニング要素があるので、小学生でも高いモチベーションでストレッチに取り組める
などのメリットがあります。
今回紹介した4種目をセットで行い、可動範囲を広げてピッチングのパフォーマンスアップにつなげていきましょう。
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