野球ギアおすすめ10選!ピッチャー必携器具を現役トレーナーが厳選
球速アップにつながるトレーニングギアを紹介するよ
トレーニング用の野球ギアは通常の練習では与えられない負荷をかけることができます。
効率良く球速アップにつなげるならギアは必須
今回、数あるトレーニング系野球ギアの中から実際に使ってみてトレーナー目線で価値があると感じているアイテムを10個厳選して紹介していきます。
この記事の目次
バッティングギアはこちらを参考に
今回はピッチャーに特化した野球ギアを紹介しますが、バッティング技術向上に効果が高いギアもいくつかあります。
そちらに関しては以下記事でまとめているので、合わせて参考にしてください。
【トレーナー厳選】バッティング技術の向上につながる最新野球ギアおすすめ8選
野球ギアの選定基準
選定基準
- 自宅でトレーニングできるか
- 球速アップに効果があるか
- 比較的安いか
- 使用方法がシンプルか
1.自宅でトレーニングできるか
自宅で一人でも練習できるかを選定基準にしています。
そのため、メディシンボールのようにグラウンドじゃないと使えないギアやウエイトマシンのように広い空間が必要なトレーニング器具は除外しています。
2.球速アップに効果があるか
ピッチャーが球速アップするためには様々な身体能力を多角的に高めていく必要があります。
その中でも今回は投手パフォーマンスアップに欠かせない最重要項目に関するトレーニングギアを選びました。
球速アップの重要要素
- 瞬発力(バネ力)
- 胸郭の可動域
- 肩甲骨の可動域
- 指力
瞬発力(バネ力)
ピッチャーはコンマ数秒の間に自分の力を最大限にしてボールに伝えることが求められます。
その出力を高めるのに重要なのが瞬発力です。
投球動作中の踏み込み力及び蹴り出し力のバネ機構ともに、球速の高い投球の方がスプリング力の発揮が大きくなっていた。スプリング力の発揮を大きくするためには、全身のバランスのとれた瞬発力が必要である。
引用:球速を高めるピッチング動作のメカニズム|日本体育学会
瞬発力が高くなるとごく短い時間でも大きな力を発揮できるようになり、結果的に球速も上がりやすくなります。
今回瞬発力を高めることができるギアを紹介します。
しなり角度
ストレートが速い投手は肩の外旋という腕のしなりが深いということが研究結果から明らかになっています。
ただ、この腕のしなりは肩関節だけをひねって作り出すものではなく、全身の可動域が重要になります。
MERの増加を肩甲骨後傾や胸椎伸展で構成することができれば、いわゆる「胸の張った」投球動作になり、パフォーマンスの向上にもつながる。
引用:投球動作の肩最大外旋角度に対する肩甲上腕関節と肩甲胸郭関節および胸椎の貢献度|体力科学
「MER」は腕が最大までしなったときの角度のことだよ
肩甲骨・胸郭の可動域トレーニングに最適なギアを紹介しています。
指力
球速と指でボールを押す力には相関関係があるといわれています。
submaximal pitching effort showed a linear relationship of peak forces with ball velocity. The peak ball reaction force for fastballs exceeded 80% of maximum finger strength measured
引用:Finger forces in fastball baseball pitching|Hum Mov Sci
英語論文ですが、意訳するとストレートを投げるときにMAXの指筋力の80%以上の力がかかっているそうです。
つまり、それだけ指力と球速の関係が強く、指力を強化すればパフォーマンスも上がるといえます。
指力強化におすすめのギアも紹介するので参考にしてください。
3.比較的安いか
最近はラプソードなど高価なギアも販売されています。
しかし、個人でそのような高い商品を購入することは難しいと思います。
今回、個人でも購入できるような価格帯のアイテムを選定しています。
4.簡単に使用できるか
トレーナーから専門的指導がなくても動画をみながら実践可能なギアに限定しています。
ピッチャーにおすすめの野球ギア10選
この3パートに分けて紹介していきます。
全身トレーニング系ギア
まず、全身トレーニング編です。
モーションロープ
肩甲骨・胸郭の柔軟性を高めるにはMIZUNOのモーションロープがおすすめです。
モーションロープは長さ1m・重さ4kgでしなりが出る形状をしています。
4kgなので見た目以上に重いです。
使用感はこの動画を見てもらうととても分かりやすいです。
ロープが重たいため、両手に持って振り回すと腕だけでなく肩甲骨・胸郭も可動してきます。
ピッチングで必要な全身のしなり可動域を作り出すことができるのがメリットです。
こちらの動画をみると、モーションロープでトレーニングすると、ピッチングで重要な可動域が向上していることが分かります。
この動画で検証されている肩外旋テストですが、最大で180°も角度が出るといわれていています。
反対にこのしなり角度が浅い選手は球速が低くなることも明らかになっています。
肩の最大外旋角度は約180°になる。この最大外旋角度が小さい投手は球速が低い。
引用(訳):Baseball Pitching Biomechanics in Relation to Injury Risk and Performance|Athletic Training
J-Bands
胸郭の動きとリリースのときに腹筋を使う感覚をつかむにはJ-Bandsがおすすめです。
腕のしなりが出ない選手だけでなく、リリースで力を出しきれない感じがする選手にも最適です。
使用感をこちらの動画をご参照ください。
ぼく自身、この器具はとても重宝しています。
胸郭を丸める⇄反るを繰り返すトレーニングをピッチャー必須です。
また、少し難しいですが腹筋で腕の振りをコントロールする感覚も普段の練習では会得できないので、パフォーマンスを目指す選手は導入をおすすめします。
ジャンプボックス
瞬発力を高めたい選手にはジャンプボックスがおすすめです。
シンプルですが、ピッチャーに欠かせないトレーニングメニューです。
トレーニングのポイントはただ高く飛べばいいわけでなく、地面への接地時間をできる限り短くするということです。
短い時間でどれだけ高く跳べる(力を発揮)かという能力を高めるかがパフォーマンスアップの鍵となります。
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プロ野球選手だと120cmも跳べるようです。
ただ、この高さは異次元なので中学生以上は90cmクリアを目指しましょう。
中学生以上は60cmだけだと物足りないので30cmのジャンプボックスも購入しましょう。
ジャンプボックスもいくつかのメーカーから販売されていますが、おすすめはボディーメーカーです。
理由は素材が適度に柔らかいので、跳び乗るのに失敗しても安全だからです。
中には硬い木を素材にしているものもありますが、足をぶつけると痛いですし、着地に失敗してボックスが倒れてきたときに危ないのでおすすめしません。
ケトルベル
重さは各リンク先で選べます。
下半身の瞬発力を高めるトレーニングとしてもう一つおすすめなのがケトルベルです。
爆発力を高めるためにハイクリーンなどクイックリフト系のトレーニングをしたいけど場所がないという方は多いはずです。
ケトルベルだと狭い空間でもクイックリフトに近い瞬発系トレーニングを行うことができます。
ケトルベルで実施できる一通りのメニューはこちらの動画を見ると分かります。
ぼく自身、以下のメニューを普段のトレーニング指導で実施しています。
ケトルベルはいろんな重さがあるので、年齢ごとのおおまかな目安をまとめておきますので参考にしてください。
ケトルベル重さの目安
- 小学生
非適応 - 中学1年
4kg - 中学2年
4kg〜5kg - 中学3年
4kg〜8kg - 高校生
8kg〜12kg - 大学生
10kg〜16kg
ヘビージャンプロープ
バネ力を高めるのにおすすめなのがヘビージャンプロープです。
このヘビージャンプロープはその名通りかなり重くて約800gあります。
そのため、ただ縄跳びをするだけでなく、腕の筋持久力(スタミナ)アップに最適です。
試合終盤で腕が疲れやすい選手や完投能力を上げたい選手は普段の自主トレメニューに取り入れることをおすすめします。
懸垂マシン
自宅スペースに余裕があればぜひ導入して欲しいのが懸垂マシンです。
昔からあるトレーニング器具ですが、懸垂マシンはかなり優れものです。
ピッチャーにとってパフォーマンスアップ&ケガ予防のために広背筋の強化は絶対的に必要です。
しかし、広背筋は自重トレーニングだとガンガン鍛えるのが難しい筋肉です。
自宅で実施可能で広背筋をがっつり鍛える器具というとこの懸垂マシンになります。
質が悪い懸垂マシンだとぶら下がったときにマシンが傾いたり、動いたりと安心してトレーニングできない器具もあります。
その点、こちらの懸垂マシンは見てもらうと分かる通り、脚が前後に長いので支持基定面が大きくてマシンが倒れる心配がありません。
懸垂マシンは高価なものだとプレート(重り)がつけられて¥20,000以上します。
この懸垂マシンだとその50%くらいの値段で購入できますし、ディップス(大胸筋・上腕三頭筋)・レッグレイズ(腸腰筋など)等野球選手に必要不可欠なメニューも実施できるのでコスパがいいです。
ピッチャーに懸垂が重要な理由は以下記事で解説しているので、興味ある方はご覧ください。
【球速アップ】にオススメ懸垂トレーニング!投球フォームとの関係や強化ポイント
指トレーニング系ギア(握力)
次はピッチャーの回転数・球速UPに欠かせない指力強化ギアを紹介します。
ベタースピン
1つ目はMIZUNOが開発したベタースピンです。
この商品はYouTubeやメディアであまり取り上げられていないので知っている方は少ないかもしれません。
しかし、指の力でボールを押す感覚を掴むのに最適です。
即時的な効果はないですが、継続的にトレーニングするとリリースの瞬間にボールを押す力が強くなり、回転数が上がりやすくなります。
トーニングボール
菅野投手が指力を鍛えてストレートの球威が向上したことは有名な話です。
(詳しくは下記記事をご参照ください。)
菅野智之のストレートが変わった!徹底的に鍛えた「指力」の効果は?
菅野選手が使っていたのがこのトーニングボールです。
菅野選手は重さ2kgのトーニングボールを空中で連続100回も回すみたいですが、やってみるとかなり厳しいです。
まずは50回目標に取り組むくことをおすすめします。
シャドウピッチング系ギア
自宅での練習としてシャドウピッチングをしたいという選手が多いと思います。
ここからはシャドウピッチングのときに使える野球ギアを2つ紹介します。
投げドル
シャドウピッチング系の野球ギア1つ目は投げドルです。
投げドルは破れない特殊な素材を使った紙鉄砲です。
腕を振ると「パチン」と音が鳴ります。
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このように結構大きな音で心地よい音が鳴るので、シャドウピッチングを楽しく取り組むことができます。
長期間使い続けていますが、強く振っても紙が敗れることはないので、耐久性も問題ありません。
使用時の注意点としては、いわゆる肘下がりというよくない腕の振りでも音が鳴ってしまうという点です。
投げドルには付属のDVDがあり、そこで正しい投球動作の解説があるので、その説明を参考に茹でぬふり
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ジャイロスティック
シャドウピッチング系のギア2つ目はジャイロスティックです。
こちらは¥2,000程度とかなり安いです。
腕を振ると「ピュッ」と音がなりますが、投げドルに比べると漏れたような小さい音なのでそこまで爽快感はありません。
どうしても大きな音を出そうとして無理に腕を振ってしまいがちです。
そのため、気持ちよくシャドウピッチングをしたい方は投げドルの方がいいと思います。
キレダス
自宅では使えませんが、リリースポイントでの正しい指の使い方をマスターするにはキレダスがおすすめです。
人気商品なので知っている方も多いと思います。
元ヤクルトスワローズの宮本慎也さんもこの動画0:26秒あたりで解説されていますが、リリースの瞬間に手首が垂れずに指でボールを押す感覚を自然につかむことができます。
回転数を上げたい方や空振りがとれるストレートを身につけたい方におすすめです。
また、キレダスは軽いので小学生からでも実践することができます。
むしろ、遊び感覚で取り入れられるのでスポ少の練習に導入するのもいいと思います。
こちらの動画は少年野球の選手がキレダスを体験していますが、悪戦苦闘していますね。
学年が上がるとクセがしみついてしまって動作を修正するのが難しくなります。
なるべく早い時期からこのような練習ギアを活用してピッチングに必要な動作習得を身につけていきましょう。
キレダスはノーマル版と上級版がありますが、基本的にノーマル版をおすすめします。
実際に投げてみると分かりますが、まっすぐ正しい回転で投げるのは結構難しいです。
まずは、ノーマル版でしっかり練習してみてください。
トレーニングギアを有効活用しよう
今回、自宅でも利用可能な球速アップにつながる野球ギアを10個紹介しました。
ギアを活用することで普段の練習では得ることができない感覚や刺激を手に入れることができます。
野球ギアそれぞれに目的や効果が違うので、自分に合ったアイテムを選んで自主練に取り組んでパフォーマンスアップにつなげましょう。
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