ピッチャーが知っておきたいちょっとしたコツ!重心移動で最大限加速するために知っておきたい知識
ピッチャーが球速を上げるためには重心移動の加速力が重要です。
今回は【サイクロイド曲線】といわれる身体を最大限加速させるために知っておくべきコツを紹介します。
物理原則の話になりますが、動画をまじえて分かりやすく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
速いボールを投げるためには
重心移動で体をできる限り加速させ、その勢いをスムーズに回転運動に切り替えて最終的にリリースの瞬間に蓄えた全ての力をボールにぶつける。
という一連の動作で全身が連動した動きをしないといけません。
フォーム前半の重心移動で十分な加速ができていなければボールに伝わる力も半減してしまいます。
重心移動はそれだけ大切なのですが、どんなイメージで体を動かせばいいか悩む選手が多いと思います。
今回は、そんな選手の少しでもいいきっかけになれるよう重心移動のちょっとしコツについて話していきます。
芹田祐(セリタタスク)
理学療法士として整形外科病院・整形外科クリニックなどに10年ほど勤務。野球現場では小学生からプロ野球まで幅広い年代の選手に対して述べ1000名以上のリハビリテーション・トレーニング指導経験あり。
保有資格
理学療法士/認定理学療法士/JARTA認定トレーナー/国際認定シュロスセラピスト/修士(医科学)
この記事の目次
重心移動を加速させるサイクロイド曲線
みなさんサイクロイド曲線って聞いたことがありますか?
下の動画をご覧ください。
動画を見ての通り、L字や斜めの直線でボールを転がすより沈み込みながらの曲線を描くとボールが1番加速しますよという物理的な話です。
このサイクロイド曲線は物理的に証明されている法則です。
この法則はピッチャーの重心移動でも当てはまります。
沈み込みのときに真下に沈み込んでしまうと、その位置から重心移動をしてもフルに加速することはできません。
真下に沈み込みをしている選手はけっこう多いので自分のフォームを確認してみてください。
サイクロイド曲線の法則に従った重心移動は
沈み込みの段階からキャッチャー方向に移動してそのまま並進して加速する(赤い矢印)
ということになります。この動作パターンは物理的にみて理にかなった投球フォームになります。
ちなみに、この動きをスムーズに行うためには股関節内転筋が必要不可欠です。
普段内転筋を強化していない選手はしっかりトレーニングするようにしましょう。
L字型の重心移動は身体を最大限加速するのに効率的でない
プロ野球選手の重心移動を見てみよう
では実際にプロ野球選手の重心移動を見てみましょう。
どうですか?
真下には決して進んでませんよね。
かなり並進移動しながら沈み込んでいると思います。
この重心移動をなかなかうまくできない選手には
- 「右足のふとももの内側で地面を押すようにしてみて!」
- 「沈み込んだときにもう自分の体が右足の上にはないようにステップしてみて!」
というとうまく動きがハマることがあります。
ただ、言葉の指導は選手によってうまくいくことがある一方で全然うまくいかない場合もあります。
言葉の受け取り方は選手個々で異なりますので、慎重に言葉を選ぶ必要があります。
重心移動を修正するときの注意点
重心移動で加速を高めようとするときには以下の点に注意してください。
- 体がつっこまない
- 開きが早くならない
(ステップ足が着地したときに体幹上半分が回転を始めていれば開きが早いです) - 割れがなくらないように注意する
重心移動を修正すると、投球フォームのバランスが崩れることはよくありますので、注意するようにしましょう。
ちなみに、体のつっこみや開きをおさえるにはいろいろなポイントがありますが、その中でも左手(グラブ)の使い方が重要です。
グラブの使い方のポイントは下の記事でまとめていますので、気になる方はそちらを参考にしてください。
他にも、重心移動を意識することで
- 体重がつま先にかかりすぎる
- ヒップヒンジ・股関節ローリングなど開きをおさえる股関節の動きが弱くなる
こういった問題が出てきやすくなります。
股関節がきちんと使えているかチェックするには2塁側からフォームチェックするととてもわかりやすいです。
チェック方法は下の記事を参考にしてください。
もし、股関節の使い方が甘くなっていたら下の記事のトレーニングをして股関節周囲を活性化させるようにしてください。
下の記事で重心移動のときに必要な股関節の使い方を習得するためのトレーニングを紹介しています。
まとめ
パフォーマンスをあげるために必要な重心移動のちょっとしたポイントについて話をしました。
重心移動で真下に沈み込んでしまうと物理学的に効率がよくない投球フォームになってしまいます。
沈み込むときに内転筋を効かせてキャッチャー方向に並進しながら重心移動を行い、最大限の加速をして回転運動につなげるようにしましょう。
注意点として、重心移動の加速を意識すると
「開きが早くなる」など投球フォームの悪い面が出てきやすくなります。
- 左手の使い方
- 体重がかかる位置
- 軸足の股関節の使い方
などに問題が出ていないか確認しながらフォーム修正するようにしてください。
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