ピッチャーはなぜ【股割り】ができないといけないのか簡単解説!


ピッチャーにとって股割りができるかどうかはパフォーマンスを大きく左右するとても大切な要素の1つです。


練習で股割りを取り入れている選手もいると思いますが、股割りができるとどんな効果があるかご存知でしょうか?


股割りが苦手選手はとても多く、そんな選手からしたら股割りストレッチはとても気が引けるものだと思います。

でも、股割りができるようになることで球速アップやコントロールの安定など自分のパフォーマンスが高まるということを知れば、頑張って取り組んでみようと思えますよね?


とうことで今回は

  • 股割りができるようになるためにはどの筋肉を柔らかくする必要があるのか
  • 股割りができるとピッチングにどのようないい影響があるか

について話していきます。

股割りをするにはどんな可動域が必要?

理想的な股割り

まず、はじめにきれいな股割りをするためにはどんな可動域が必要か、またどの筋肉の柔軟性を高くすればいいのか簡単に説明します。

足を横に開く股関節の外転可動域

股割りでは開脚するように両足を左右に大きく開けないといけません。

これを股関節外転の可動域といいます。

外転の可動域を高めるためには内ももにある内転筋をしっかりストレッチする必要があります。


内転筋はたくさんの種類があり、基本的にストレッチするときは数種類の内転筋をまとめて伸ばすことになります。

股割りをするためには股関節外転をする必要があり、内転筋の柔軟性が求められる

骨盤を立てる骨盤前傾の可動域

これから話す内容がとても大切です。

ピッチャーに必要な股割りはただ足を左右に大きく開けばいいわけではなく、

「骨盤を立てる」

というのがポイントになります。

よくなり股割りの例。骨盤前傾を意識しよう

上の写真のように骨盤が後ろに倒れた状態で開脚をしてもパフォーマンスアップにはなかなかつながりません。


骨盤を立てるというのは骨盤前傾という動きになるのですが、なぜ骨盤を前傾する必要があるのかはまたあとで説明します。


さきほどの股関節外転だけであれば、内転筋だけをストレッチすればいいのですが、股関節外転にプラスして骨盤前傾の動きが入ると太もも裏の内側にあるハムストリングスがものすごい引き伸ばされます。

骨盤前傾にはハムストリングスの柔軟性が必要になります
http://www.mori-family-bs.jp/14943152854537より引用

太もも裏の内側にあるハムストリングスは半腱様筋と半膜様筋と呼ばれる筋肉なのですが、この2つの筋肉が固くなってしまい、投球パフォーマンスが落ちてしまっている選手がたくさんいます。

そのため、内転筋だけでなく、ハムストリングスの柔軟性も高めて正しい股割りをできるようにならないといけません。

ポイント

正しい股割りは足を左右に大きく開くだけではなく、骨盤を立てた状態で足を開く

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股割りの可動域が大切な理由

ピッチャーに必要な股割りは

  • 足を大きく横に開く(股関節外転)
  • 足を大きく開いた状態で骨盤を立てる(骨盤前傾)

この2つの要素があるということを話しましたが、これから投球フォームとの関係性について話していきます。

地面を押して加速するために股割りの可動域が必要

速いストレートを投げるためには自分の力だけでなく、地面からの反力を有効活用する能力がとても重要になります。

球速アップには地面からの反力を有効活用する必要がある
http://mountain-top.jugem.jp/?eid=531より引用

地面からの反力の特徴としてまず、自分が強く押すほどその分だけ強い力を地面から受けることができます。

また、自分が力を入れて地面を押した方向からそのまま跳ね返るようにして反力が生まれます。

ピッチャーの場合、遠投の様に走って助走をつけて投げることはできないので、体重移動のときにどれだけ効率よく地面からの反力をもらってバッター方向に加速(赤矢印)できるかが球速アップのカギになります。

ピッチャーの場合、遠投の様に走って助走をつけて投げることはできないので、体重移動のときにどれだけ効率よく地面からの反力をもらってバッター方向に加速(赤矢印)できるかが球速アップのカギになります。


バイオメカニクスの研究でも体重移動のときにバッター方向への反力が大きいピッチャーほどストレートが速い1)というデータが出ています。


体重移動で自分自身の体を加速させ、その上に軸足で地面を押してバッター方向への反力を得るためには軸足を大きく開く(股関節外転)必要があり、股割りの可動域がなければこの動きをすることはできません。

骨盤を立てた状態(前傾)を保つことでステップ足に体重が乗りやすくする

さきほど少し話したように、ピッチャーはただ股関節を大きく横に広げられたらいいというわけではありません。

体重移動〜回転運動で骨盤は前に大きく傾いていきます。  この骨盤の傾きがあることでステップ足が着地したときに前足に体重が乗りやすくなり、回転運動をしやすくなります。

上の写真を見てもらうとわかるように、体重移動〜回転運動で骨盤は前に大きく傾いていきます。


この骨盤の傾きがあることでステップ足が着地したときに前足に体重が乗りやすくなり、回転運動をしやすくなります。


骨盤の前傾がない選手は体重が乗りにくく、前足にしっかり体重を乗せた鋭い回転を行いにくく、最終的にリリースでボールに伝える力が弱くなってしまいます。


これが内転筋が柔らかかったとしてもハムストリングス(半腱様筋、半膜様筋)が固いとスムーズな骨盤の前傾を邪魔してしまいます。

全身のしなりを作りやすくなる

しなりが大きいほど球速が速くなりやすいのですが、このしなり動作は腕だけでなく、股関節・体幹・肩甲骨など全身の動作によるものです。  骨盤が前傾している選手ではこの全身のしなりを自然に作りやすくなります。

しなりが大きいほど球速が速くなりやすいのですが、このしなり動作は腕だけでなく、股関節・体幹・肩甲骨など全身の動作によるものです。

骨盤が前傾している選手ではこの全身のしなりを自然に作りやすくなります。


しなりの細かい話は今回省略しますが、気になる方は以前の記事で詳しく話しているのでそちらを参考にしてください。自分の投球フォームがしなりを作れているかチェックする方法についても紹介しています。

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ステップ足の着地が安定しやすい

股割りができていると、軸足だけでなく、ステップ足にもいいことがあります。  ステップ足が着地する瞬間は体の開きをおさえつつ、ステップ足は投球方向(キャッチャー)にターゲットを定める必要があり、つま先がキャッチャー方向に開いて着地しないといけません。  このとき、全身の中でステップ足だけを開く形になるので股割りの可動域が必要になります。  股割りの可動域が狭い選手がステップ足だけをキャッチャー方向に向けることはできず、体幹や腕もつられて一緒に回転してしまい、開きが早いフォームにつながってしまいます。

股割りができていると、軸足だけでなく、ステップ足にもいいことがあります。

ステップ足が着地する瞬間は体の開きをおさえつつ、ステップ足は投球方向(キャッチャー)にターゲットを定める必要があり、つま先がキャッチャー方向に開いて着地しないといけません。


このとき、全身の中でステップ足だけを開く形になるので股割りの可動域が必要になります。

股割りの可動域が狭い選手がステップ足だけをキャッチャー方向に向けることはできず、体幹や腕もつられて一緒に回転してしまい、開きが早いフォームにつながってしまいます。

股割りのストレッチをしよう

股割りの重要性をなんとなくお分かりいただけたでしょうか?

あとは実践あるのみでどんどんストレッチをしていってほしいのですが、内転筋群もハムストリングスも固くなりやすい筋肉なので正しいストレッチをやらないとなかなか効果が出ません。

内転筋に効きやすいストレッチは今後も別の記事で紹介しようと思います。

ハムストリングスを効率よく短期間で柔らかくするストレッチは下の記事にまとめていますのでそちらを取り組むようにしてください!

まとめ

ピッチャーがパフォーマンスを高めようと思うなら股割りの可動域は必須になります。


ピッチャーに必要な股割りは股関節を左右に大きく開けばOKではなく、骨盤の前傾がポイントになります。


股割りの可動域があるときのメリットは

  • 体重移動で加速しやすい
  • ステップ足に体重乗りやすい
  • しなりを作りやすい
  • ステップ足の着地が安定しやすい

などが挙げられます。

股割りの重要性を理解したうえで可動域アップを目指すようにしましょう!

Reference

  1. Characteristic ground-reaction forces in baseball pitching.Am J Sports Med.1998 26(1).66-71.