ピッチャーに必要な下半身の筋肉は?投球フォームから見てみよう!(軸足編)

軸足のトレーニングはピッチャーが体重移動で加速するためにとても大切です。

球速アップするためには軸足の下半身強化は絶対的に必要ですが、軸足の下半身の筋肉がピッチング中にどのくらい活動しているか知っている選手は少ないのではないでしょうか?


今回は投球フォームの各フェーズで軸足の下半身筋肉がどのくらい活動しているのかについてまとめました。
トレーニングプログラムを作成するうえでの参考になると思いますのでぜひお読みください!

今回お話しする筋肉について

計測している下半身の筋肉

今回は研究データを参考にして1)ピッチング中のそれぞれのフェーズでステップする左足(左投手は右足)の筋肉がどのくらい活動しているのか見ていきたいと思います。

今回見ていく筋肉は

  • 腓腹筋(ふくらはぎ)
  • 大腿二頭筋(太もも裏にあるハムストリングス)
  • 大殿筋(お尻)
  • 大腿直筋(太もも前)
  • 内側広筋(太もも前の内側)

の5つになります。

腓腹筋はふくらはぎにある筋肉です。
腓腹筋
大腿二頭筋は太もも裏にある筋肉です。
http://therapistcircle.jp/daitainitoukin/より引用
大腿直筋と内側広筋は太もも前にある筋肉です。
http://www.kinken.org/contents/kenkozukuri/kenkozukuri17.htmlより引用

左足と軸足では筋肉の働きぐあいは全く変わります。

ステップする左足で下半身の筋肉がどのように活動しているかも知っておくとよりトレーニングするのが楽しくなると思います。

左足の下半身の筋肉がどのくらい活動しているかを知りたい方は下の記事を参考にしてください。

今回の筋肉だけをトレーニングすればいいわけではありません

今回はさきほどあげた5つの筋肉を見ていきますが、当然ですがこれらの筋肉のみを鍛えればOK!というわけではありません。

ピッチング中に5つの筋肉がこれだけ活動して頑張ってくれているんだなあ。と思っていただければいいと思います。

表の見方について

これから各フェーズで筋肉がどのくらい活動しているかを表で話していくのですが、その前に表の数字について簡単に説明します。

それぞれの筋肉に力が入りやすい位置で力比べをするようにしてい思い切り力を入れたときの活動を100%とします。

それと比較してどのくらいの筋肉が活動しているかを%であらわしてあります。

数値が高いほどその筋肉がたくさん活動していると思ってもらえればOKです!

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投球開始(フェーズ1)での下半身の筋肉の活動

1つ目のフェーズは投球開始から左足を高く上げるまでのフェーズでの筋肉の活動を見てましょう。

投球開始です。

ここから

1つ目のフェーズは投球開始から左足を高く上げるまでのフェーズでの筋肉の活動を見てましょう。

ここまでです。

それぞれの筋肉の活動は以下の通りです。

腓腹筋(ふくらはぎ)27%
内側広筋(太もも前)15%
大腿直筋(太もも前)10%
大殿筋(お尻)25%
大腿二頭筋(太もも裏)18%

このフェーズでは、軸足で片足立ちをしている状態ですが、どの筋肉も活動状態としては高くありません。

今回のデータにはありませんが、このフェーズでは片足でバランスをとるためにお尻の外側にある中殿筋が高い活動をしていると思われます。

お尻の外側にある中殿筋です。体重移動や片足立ちでバランスをとるときに必要な筋肉です。
http://www.cure-bodytalk.com/article/15673431.htmlより引用
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足を上げてからステップ足が着地するまで(フェーズ2)の下半身の筋肉の活動

次は左膝が1番高く上がったところから左足が地面に着地するまでのフェーズです。

体重移動のタイミングですね。

次は左膝が1番高く上がったところから左足が地面に着地するまでのフェーズです。体重移動のタイミングです。

ここから

次は左膝が1番高く上がったところから左足が地面に着地するまでのフェーズです。体重移動のタイミングです。

ここまでです。


筋肉の活動は以下の通りです。

腓腹筋(ふくらはぎ)75%
内側広筋(太もも前)68%
大腿直筋(太もも前)38%
大殿筋(お尻)73%
大腿二頭筋(太もも裏)48%

このフェーズでは軸足で強く地面を押し、バッター方向への反力をもらい、どれだけ加速できるかが球速アップのカギになります。

沈み込んだときに体を支えるために、ふくらはぎの筋肉とお尻の筋肉で活動が高くなっています。

ふくらはぎとお尻の筋肉が弱いと沈み込みで全身がぐらついてしまい、体重移動の加速を十分に行うことができないでしょう。

このフェーズで最大限加速するためには、この他にお尻の外側にある中殿筋と内ももにある内転筋群の強化も必要不可欠です

内転筋群です。体重移動で最大限加速するためにこれらの筋肉の活動が必要になります。
https://www.styleb.co.jp/seminar/note/hip-adduction-muscle/より引用

ステップ足が着地してからリリースまで(フェーズ3)の下半身の筋肉の活動

次は左足が地面に着地してからリリースまでのフェーズです。

回転運動のタイミングになります。

次は左足が地面に着地してからリリースまでのフェーズです。回転運動のタイミングになります。

ここから

次は左足が地面に着地してからリリースまでのフェーズです。回転運動のタイミングになります。このフェーズ
の最後にあたるリリースポイントの瞬間です。

ここまでです。

筋肉の活動は以下の通りです。

腓腹筋(ふくらはぎ)172%
内側広筋(太もも前)138%
大腿直筋(太もも前)49%
大殿筋(お尻)141%
大腿二頭筋(太もも裏)142%

フェーズ1、フェーズ2と比べて全体的に筋肉の活動が高くなっていて下半身の筋肉を全体的に強化する必要があるのが分かります。

その中で太もも前にある大腿直筋は49%(フェーズ2でも38%)で低い数値が出ています。

このフェーズ3で反対足のステップ足の大腿直筋は167%も活動しています。

数値を確認したい方はこちらからどうぞ!

回転運動を高速かつ安定して行うためには、左足に体重をしっかり乗せて全身を回転する必要があり、その支えとして左の大腿直筋は高い活動していますが、軸足に関しては筋肉の活動が低いようです。

ステップ幅を確保するためには大腿直筋が過度に緊張することなく、リラックスした状態を作ることが大切になります。

むしろ、回転運動ではステップ幅を確保するために軸足を大きく後ろに引く必要があります。

もし、軸足の太もも前にある大腿直筋(赤楕円)が固くなっていたり、筋肉が過度に緊張しているとスムーズな体重移動を妨げる原因となるのでリラックスした状態を作ることが大切になります。

ポイント

左足では太もも前側の大腿直筋の強化がとても大切だが、軸足の大腿直筋は体重移動の邪魔にならないようにガチガチに固めるのではなく、脱力させる必要がある

まとめ

投球フォームの各フェーズで軸足の下半身筋肉がどのくらい活動しているかを研究データを参考に紹介しました。

ピッチング中の軸足の役割をざっくりいうと

  • 体を安定して支えながら体重移動でできるかがり加速する
  • 回転運動を高速で行うためのアシストを行う

になります。

ピッチング中に下半身の筋肉がどのくらい活動しているかを知ることで、ふだん行っているトレーニングが実際の投球フォームにどう生きてくるかを意識しながら取り組めると思います。

そのようなトレーニングができるようになると、トレーニング効果も高まると思うので、ぜひ今回のデータを参考にしてみてください。

Reference

  1. Lower extremity muscle activation during baseball pitching.J Strength Cond Res.2010 24(4).964-971.