少年野球選手が自宅でできるバッティング練習と必須アイテム11選
少年野球では外で練習できる時間は限られていてフリーバッテイングも1人何球までと決まっている場合が多いはずです。
保護者としては納得いくまでもっとバッティング練習をしてほしいと思うのではないでしょうか?
自宅が狭くても工夫次第で効率よく自宅でバッティング練習することは可能です。
今回は、少年野球向けに自宅でできるバッティング練習法とおすすめギアを11個紹介します。
著者情報
小学生から高校生まで合計10年野球部に所属。高校時代は県ベスト4が最高成績。大学生の3年間はスポーツ用品店の野球用品コーナーでアルバイトを経験。現在は草野球をしていて年間数十万円以上野球用品につぎこむほど野球道具マニア
この記事の目次
自宅できるバッティング練習
はじめに少年野球のお子さんが自宅で安全にできるバッティング練習の方法を紹介します。
1.素振り
自宅でもっとも簡単にできる練習といえば素振りです。
フリーバッテイングやティーバッティングとは違って好きな時間にいつでも練習することができます。
2.スローモーションスイング
正しい打撃フォーム習得するのにおすすめなのがスローモーションスイングです。
ゆっくり素振りをすることで自分のスイング軌道の修正をすることができます。
聞き慣れない用語もあるかと思いますので、気になる方はこちらの動画解説を参考にしてください。
引用:タクトtv
3.ボトムハンドスイング
こねてしまう選手や開きが早い選手ではその原因がボトムハンド(右打者の左手)にあることが多いです。
特に、プルエルボーを正しくできていない選手は非常に多いので、ボトムハンドスイングで修正することをおすすめします。
ボトムハンドスイングをする際の具体的ポイントはこちらの動画が参考になります。
4.トップハンドスイング
バッティングでスイングスピードを高めるにはインパクト付近でのトップハンド(右打者の右手)の使い方が重要です。
インパクト付近でのトップハンドの重要性は論文でも明らかにされています。
インパクト付近においてスイングスピード上位群はトップ側手関節の正のトルクパワーを増大させることにより、手部からバットへと大きな力学的エネルギーを伝達させることができていた
引用:野球の打撃における上肢のエネルギーフロー:バット・ヘッドスピードの上位群と下位群のスイング局面の比較|体育学研究
トップハンドスイングの詳細はこちらを参考にしてください。
5.置きティー
正しい打撃スイングをある程度身につけたらボールをティースタンドに置いて打ち込む置きティーがおすすめです。
置きティーはボールを自分でスタンドの上に置いて1人でも練習することができます。
アメリカではトスバッティングはほとんどせず、この置きティーで打撃フォームを固めていくのが主流です。
小学生がバッティング練習するときの注意点
マスコットバットなど重いバットで練習させてパワーをつけようとする方がいますがおすすめしません。
体の発達が未熟な小学生が重たいバットを使うと、腰などに負担がかかるだけでなく、開きが早いなどの悪いクセを引き出しやすくなってしまいます。
実際に、重いバットで素振りをすると、打撃フォームにこのような悪影響があったと研究論文で報告されています。
・バットヘッドの速度が低下
引用:小学生野球選手における異なる形状のバットを用いた素振り動作のキネマティクス的研究|金沢星稜大学人間科学研究
・バットヘッドが走る動作が抑制
・バットヘッドが下を向く
・肩の開きが早い動作になる
・体幹および腰部に作用する負荷が大きい
小学生は軽めのバットで正しいバッティングフォームを習得できるように練習しましょう。
ここからはぼくが実際に利用してみてコスパがよく、他の人にもおすすめできると感じた自宅練習用器具を3パートに分けて紹介していきます。
自宅用おすすめ設備グッズ
まずは自宅内で打撃練習をするときに必須のボールやネットです。
固いボールを屋内でガンガン打ち込むと大変危険です。
そのため、安全面を最重要視して紹介していきます。
フィールドフォースバッティングボール
1番のおすすめはこのフィールドフォースのバッティング練習穴あきボールです。
大きさはJ号球よりも若干大きいですが、ほとんど同じサイズです。
このボール1番の長所は打感と打球音が心地よいという点です。
スポンジボールよりも固いので、インパクトでボールをつかまえた感触もしっかりあります。
とはいえ、J号球や硬球ほどの硬さはなくて手でつぶすと変形するくらいの柔らかさなので室内で使うのに最適な質感です。
インパクトで「パチン!!」という打球音がするので、小学生が気分良く打撃練習することができます。
打感が弱いとバッティング練習をしている感じがしなくて飽きやすいですが、このボールだとその心配がありません。
このボールのデメリットは壁に向かって打っていると少しずつ壁に傷がついてくる点です。
さらに、壁にボールが当たったときに割と大きな音が鳴ってしまいます。
そのため、穴あきボールを使う場合は壁に直接打ち込むことはせず、これから紹介するバッティングネットも合わせて用意することを強くおすすめします。
屋内専用バッティングネット
バッティングネットはピンキリで高いものだと3万円以上してしまいます。
屋内でさきほどの穴あきボールを使ってバッティング練習をするのであれば、最低限の大きさと強度があれば全く問題ありません。
ぼくが実際に使っているのがこちらのバッティングネットです。
こちらのバッティングネットは価格が約¥5,000くらいとかなり安価です。
高さ160cmで横幅130cmとかなりコンパクトですが、小学生がバッティング練習するには十分です。
奥行きも50cmしかないので、設置場所にも困りません。
このように、自宅で過剰なスペース占拠をすることがないの自宅で使うのに最適です。
打ち込んだボールはネット下部にたまっていくのでボールを集めるのもとても楽です。
注意点としてはJ号球・硬式球には非対応なので絶対に打ち込まないようにしましょう。
さきほどの穴あきバッティングボールとセットで購入するようにしてください。
また、風が強いと倒れるので、屋外での利用には不向きです。
ベルボール バルク
スイングできるけど、ネットを置くほどのスペースがないという方にはベルボールがおすすめです。
ベルボールは穴あきボールよりもさらに柔らかいスポンジ素材なので自宅内どこに向かってでも打ちこむことができます。
ベルボールは、ボール内部に特殊なコアが内蔵されていジャストミートすると音がなります。
ただし、打球音自体はさきほどの穴あきボールよりも小さくて打感も弱いです。
打球が当たってもほとんど痛くないので安全に練習することができるというのがメリットです。
スペースがあるならさきほどの穴あきボール+バッティングネットの組み合わせの方がおすすめです。
ミートポイントボール
ミート力を上げるためにおすすめなのがミートポイントボールです。
このボールはJ号球よりもかなり小さいです。
軟式ボールの半分とまではいきませんが、かなり小さいことがわかります。
少年野球選手だとボールを確実にミートするのが結構難しいです。
そのため、ボールを確実にミートする練習としては最適です。
さきほどのベルボールと同様にスポンジ素材なので打球音と打感は弱めです。
おすすめの打撃ギアバット
次に、室内のバッティング練習に欠かせないおすすめのバットを紹介します。
UCHIDAモンスタースラッガー(少年用)
インパクトでしっかりボールをとらえたい選手には、ウチダのモンスタースラッガートレーニングバットがおすすめです。
モンスタースラッガーは少年野球選手に大人気のギアなので知っている方も多いと思います。
このトレーニングバットはボールインパクトの瞬間に自然と100%の力を発揮することができるように特殊な重りがついています。
ボールインパクトでの出力を高めることができれば長打力アップが期待できます。
また、モンスタースラッガーは通常のバットよりも遠心力が大きくなるので、このバットで練習を重ねると腕に無駄な力が入らないスイングが自然に身についていきます。
バッティングでどうしても力んでしまうという選手にもおすすめです。
トクさんTVでも特集されているので参考にしてみてください。
インサイダーバット
多くのメジャーリーガーが愛用しているのがインサイダーバットです。
インサイダーバットで練習すると否応なく最短距離でバットが出るようになります。
After drills, the final swings of the first four days. Plus he conquered Insiderbat. pic.twitter.com/NiQpN5lhtP
— Richard Schenck, PHO PPP LQC TTE🙂 (@Teacherman1986) April 19, 2020
インサイダーバットは特殊な形状しているのでバットの正しい握り方も無意識にマスターできます。
また、インサイダーバットはいびつな形状をしているので、正しくボールをミートするためにはトップハンド(左打者の左腕)がパームアップ(手のひらが上向き)になる必要があります。
パームアップができると、腕だけでなく、肩甲骨・体幹が連動したスイングになって体が小さくても打球も飛びやすくなります。
少年野球の選手でパームアップを会得している選手は少ないので、インサイダーバットで練習して正しい打撃スイングを身につけることをおすすめします。
このバットは軽量なので小学生の早い段階からでも取り組むことができます。
インサイダーバットは下の記事でも詳しく解説しているので、そちらも参考にしてください。
おすすめの打撃練習器具
さいごに小学生におすすめのバッティング練習器具を紹介します。
ヒッティングノブ
ドアスイングやヘッドが下がるのを修正するならヒッティングノブがおすすめです。
ヒッティングノブはボールくらいの大きさをしてバットに取り付けるウエイトです。
一般的にバットウエイトというとバットのヘッド側に取り付けます。
しかし、バットのヘッドの質量が大きくなると、その重さに負けてヘッドが下がってバットも遠回りしやすくなってしまいます。
特に、筋力が未熟な小学生だとその傾向が顕著に現れます。
一方、ヒッティングノブはウエイトをバット先端ではなくグリップ側に装着します。
グリップ側が重くなることで自然とグリップから始動するスイングになります。
その結果、勝手にインサイドアウトの軌道でスイングしやすくなってヘッドも下がりにくくなります。
バットが内側から出ると、慣性モーメント(物体の回転しにくさ)が小さくなるので、スイングスピードが速くなります。
下の動画はヒッティングノブの紹介動画なのでそちらも参考にしてみてください。
ヒッティングノブには以下の3つの重さがあります。
(1オンス=約28g)
ヒッティングノブの3サイズ
- 8オンス(約226g)
- 12オンス(約340g)
- 18オンス(約510g)
1番重たいのだと500g超えになるのでサイズ選びを失敗しなようにしましょう。
カテゴリーと適正サイズはこちらです。
カテゴリー | 適正 |
小学生 | 8オンス |
中・高校生 | 12オンス |
大学生以上 | 18オンス |
小学生には8オンスがおすすめです。
タナーティー
置きティーで使うスタンドはバットが当たるので消耗品のごとく壊れやすいという欠点があります。
また、打ち損じるとその衝撃でスタンドが倒れてしまうこともよくあります。
技術的に未熟な小学生だと頻繁にスタンドを倒してしまうので毎回スタンドを起こすのが面倒だったりします。
タナーティーは先端が柔軟に動くようになっています。
そのため、バットでボールの下っつらを叩いてもタナーティーが衝撃を逃してくれるのでよほどのミスショットじゃないとスタンドは倒れません。
置きティーをするならこのティースタンド一択です。
スウィングスタンド
バッティングで体重移動に課題がある選手にはスウィングスタンドがおすすめです。
打撃動作の体重移動のポイントを端的に説明するとこんな感じです。
このようにバッティングではステップ足に体重がうまく乗せることで鋭い回転につながってスイングスピードを高めることができます。
少年野球では体重移動がうまくできず、軸足に体重が残ったままスイングしてしまう選手がとても多いです。
軸足に残したままだと打てないよ
軸足に体重が残ったままではスイングスピードが上がらないので強い打球を打つことは難しくなります。
このスウィングスタンドを使うと、前足で地面を押してスイングする感覚を身につけることができます。
前足で強く地面を押すには体重移動が必要なので、練習していくうちに体重移動のコツもつかめてきます。
以前、クーニンTVで紹介されていたのでそちらも参考にしてみてください。
ミートポイントボールトスマシン
自宅でトスバッティングをしたいのであれば、ミートポイントボール・トスマシンがおすすめです。
対応ボールは記事前半紹介したミートポイントボールです。
親がいなくても子供一人でセッティングして安全に練習できるのが大きなメリットです。
インパクトパワーメーター
スイングスピードを数値できちんと計測して練習の効果を実感したいという方にはインパクトパワーメーターがおすすめです。
自分のスイングスピードがどのくらいなのかは選手にとって気になるものです。
定期的に計測することで練習のモチベーションを保ちやすくなります。
狭い自宅でも効率よく練習できる
自宅でバッティング練習をしようと思ったら、いろいろなことを心配しなければなりません。
しかし、自宅でもできる練習はありますし、室内でできる用具を揃えること好きな時間に思うぞんぶん練習に励むことができます。
野球に熱中している子どもの成長を最大限加速させるためにも、室内でできる練習用具を準備してあげてみてはいかがでしょうか。
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