【球速アップ】に直結!筋肉量が多いほどパフォーマンスアップする部位はコレ!(筋トレの参考になります)
ピッチャーが球速上げるためにはたくさんの筋肉をトレーニングする必要があります。
その中でも絶対に外すことができないパフォーマンスUPに必須の筋肉が存在します。
ボリュームを増やすことで球速がアップすると科学的に証明されている筋肉とは?
最近はユーチューブやSNSなどを見ると
「投手にオススメの筋トレ」
等の情報がたくさんあふれていてどれが正しくどの筋肉を鍛えればいいのかよく分からなくなってしまいますよね。
今回は筋トレをしてパフォーマンスアップしたいけど、何をすればいいのかわからない。
という方向けに
- 球速アップに絶対欠かせない強化部位とその理由
- 筋トレをするときに知っておきたい注意点
- パフォーマンスアップを目指す野球選手が取り組むべき筋トレ方法
この3つについて話をしていきます。
この記事を読むことで球速アップをするためにどの筋肉をどんな方法で筋トレしていけばいいのかがわかります。
パフォーマンスアップを目指す選手はぜひ参考にしてみてください。
芹田祐(セリタタスク)
理学療法士として整形外科病院・整形外科クリニックなどに10年ほど勤務。野球現場では小学生からプロ野球まで幅広い年代の選手に対して述べ1000名以上のリハビリテーション・トレーニング指導経験あり。
保有資格
理学療法士/認定理学療法士/JARTA認定トレーナー/国際認定シュロスセラピスト/修士(医科学)
この記事の目次
筋肉量が多い=パワーがある
まずはじめに筋力が大きいということはどういうことなのか簡単に説明します。
筋肉がどれだけ大きなパワーを出せるかは
専門的には最大筋力という言葉を使います。
1回で持ち上げられるMaxの質量が大きければ最大筋力が大きいということになります。
この最大筋力は簡単にいうと
- 筋肉のサイズ(量)
- 筋繊維タイプ(質)
- 運動単位の動員能力・発火頻度(活性具合)
この3つで決まります。
今回は1つめの筋肉のサイズに関するトピックスで球の速さと深い関係がある部位について紹介していきます。
ものすごいざっくりいうと、このあと紹介する筋肉のトレーニングをしてサイズを大きくすれば、球速アップにつながりやすくなります。
球速アップするために筋トレする部位は?
研究データを参考にして話をしていきます。
球速アップと関係する筋トレ必須の部位はここ!
上の図のように
- 上腕(前と裏側の2ヶ所に分けて)
- 前腕
- お腹
- 背中
- 大腿(太もも:前と裏側の2ヶ所に分けて)
- 下腿(膝下:前と裏側の2ヶ所に分けて)
上腕・大腿・下腿は前と裏に分け、合計9ヶ所の筋肉量を計測して
球速と関係する場所を調べた研究1)があります。
この研究結果によると筋肉のサイズが大きいほどストレートが速かったのは
- お腹
- 背中
- 大腿前部(太ももの前側)
- 大腿後部(太ももの裏側)
だったそうです。
つまり、この4ヶ所の筋肉量が多いとストレートが速くなりやすいということになります。
しかし、
「お腹」
のようにざっくりした表現では、具体的にどの筋肉をトレーニングすればいいのかわかりにくいですよね。
とうことで、これから投球フォームとの関係性を踏まえたぼくの考察を加えつつ、どのようにトレーニングしていけばいいのかについても解説していきます。
筋トレ部位と投球フォームとの関係性について
さきほど紹介した研究で重要な部位として挙げられたのが
- お腹
- 背中
- 太ももの前側
- 太ももの後ろ側
各部位べつで話を進めていきます。
体幹トレーニングは注意が必要
まず一つ目のお腹ですが、主要な筋肉はお腹の中央に位置する腹直筋といわれる筋肉です。
ピッチングで腹直筋にしっかり力が入ることで、リリース直前に体を高速で巻き込むことができ、球速アップにつながります。
そのため、腹直筋の筋トレを行い、サイズをアップさせていけばいいのですが、
服直筋トレーニングをするうえで気をつけてほしいポイントがあります。
腹直筋のトレーニングとして有名なのが
上の写真のように体をまっすぐに起こす
クランチトレーニングです。
このトレーニングは腹直筋の強化するという意味では
問題ないのですが
体幹トレーニングといって
毎日正面クランチだけ数百回
とかしていると腹直筋がすぐにガチガチになってしまいます。
体幹トレーニングをたくさんする高校生に多いパターンです。
腹筋には服直筋以外に外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋などがあるのですが
筋肉のバランスが崩れやすい部位2)です。
腹直筋が固くなりすぎると
外腹斜筋など他の腹筋に力が入りにくく(抑制)なります2)。
ジャイアン(腹直筋)が強すぎてのび太(外腹斜筋など)が
思うように活動できない
みたいな感じです。
その結果、どんな問題があるかについて説明します。
体幹で割れを作ってためたパワーを
回転運動で一瞬で開放するときに
体幹を鋭いターンで回転させてくれるのが外腹斜筋(右半身)と内腹斜筋(左半身)の収縮です。
内腹斜筋についてはこのような研究結果も出ています。
両側の内腹斜筋の筋厚がボールスピードと有意な正の相関を示した
引用:野球投手の筋厚の非対称性とボールスピードの関係|体力科学第61巻第2号
内腹斜筋の厚みが太いピッチャーほど球速が速かったそうです。
そのため、腹直筋の影響でこの2つの筋肉に力が入りにくいと
回転運動で加速することができず
リリースでボールに力が伝わらなくなってしまいます。
また、2枚目の写真で
黒い丸をしているところを見てもらうと
しなるときに体が反って
腹直筋が大きく引き伸ばされているのがわかると思います。
腹直筋が固くなっているとしなりを作ろうとしても
腹直筋がつっぱってしまい、しなりが浅くなってしまいます。
しなりが浅くなると全身をバネのように使えず、
スピードボールを投げることはできません。
ということで腹直筋ばかりに偏ったトレーニングにならないよう
気をつけなければいけません。
改善策としては下の方法を参考にしてください。
- クランチはひねりを入れたトレーニングも入れてバランスよく腹筋群を強化する
- 腹直筋だけでなく、外腹斜筋も固くなることがあるので、自分でお腹周りに手を当て、軽く圧迫してマッサージするようにする
(お腹周りを8等分して各エリアをゆっくりほぐしていく)
お腹の筋トレにはメディシンボールトレーニングがおすすめ
お腹の筋トレするときにおすすめなのがメディシンボールトレーニングです。
メディシンボールを使うことで腹筋に適度な負荷を加えることができ、効率よく筋トレすることができます。
体幹のひねり(捻転)パワーを高めることで球速アップだけでなく、打球速度などの野手能力も上げることができます。
体幹捻転パワーのすべての測定項目と投手および野手の投球、送球、打球スピードとの間に有意な相関関係が認められた
引用:各種パワー発揮能力からみた野球選手における投手と野手の体力特性〜フィールドテストのデータをもとに〜体育学研究
具体的な筋トレする方法ですが、メディシンボールを使ったひねりトレーニングはぜひみなさんに取り入れてほしいです。
- ロシアンツイスト
- ロシアンサイクロン
などのメディシンボールを使った体幹の筋トレ方法は下の記事でまとめているのでそちらを参考にしてください。
背中は広背筋を中心に鍛えよう!
背中の筋肉は主に広背筋になります。
広背筋の強化はピッチャーにとってものすごい重要です!
- 広背筋がピッチング動作でどれほど大活躍しているか
- トレーニング方法(自重で簡単かつ効果的なトレーニング方法)
これらについては下の記事で細かく紹介していますので
そちらを読んいただければと思います。
太ももは前と後ろ両方しっかり鍛えよう!
太ももは前と後ろ両方とも
筋肉量が多いほど球速が速くなります。
太ももの前側の代表的な筋肉は大腿四頭筋で
後ろ側はハムストリングスです。
太ももの後ろ側ではないですが
大殿筋もとても重要な筋肉なので筋肉量UPを目指すようにしましょう!
リリースした後にステップした左足で地面を押す力が強いほど
球速が速くなるといわれています。
強く地面を押すためには大きな力が必要なのですが、
そのときに働いてくれる筋肉が
- 大腿四頭筋
- ハムストリングス
- 大殿筋
です。
筋肉量を増やすためには食事も重要
筋肉の効率よく増量するためには、トレーニングだけでなく食事も重要です。
栄養バランスが整った食事を毎食作ることができればいいですが、現実的にはなかなか難しいと思います。
そんな方におすすめなのがマッスルデリという管理栄養士監修の食事サービスです。
バルクアップするために必要なカロリー計算を徹底的に行ったメニューを提供してくれます。
マッスルデリは僕自身が利用したことがあり、使ってみた素直な感想(いい点と悪い点)について下の記事で詳しくまとめています。
興味がある方はぜひご覧ください。
今回の話の注意点
全身の中で球速アップのために筋肉量を増やす必要がある筋肉を紹介しました。
しかし、今回紹介した筋肉だけをトレーニングすれば
球速が上がるわけではありません。
肩甲骨周りやインナーマッスルなどなど
ピッチャーがトレーニングするべき部位はたくさんあります。
偏ったトレーニングにならないように注意して
バランスよく全身を鍛えるようにしましょう!
まとめ
球速アップのためにボリュームアップするべき筋肉は
- 腹直筋
- 背筋
- 大腿四頭筋
- ハムストリングス
- 大殿筋
です。
ただ、クランチのようなトレーニングばかりをしていると
他の筋肉とのバランスが崩れてしまい、
ピッチング動作でスムーズな動きができなくなってしまいます。
筋肉が固くなりすぎないように注意して
バランスよく全身を鍛えることが球速アップの近道になります!
Reference
- 大学野球選手にみられる筋量および筋量分布の特徴が投球スピードに与える影響.スポーツ科学研究4.2007.75-84.
- 続 運動機能障害症候群のマネジメント 頚椎・胸椎・肘・手・膝・足.医歯薬出版株式会社.2013.132-135.
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