【関西学生野球連盟】大学野球投手の連続写真フォームチェック(After編)
関西学生野球連盟に所属している選手の投球フォームチェックをさせていただきました。
以前フォームチェックをして伝えたトレーニングをしてくれて
またチェックしてほしいということで2回目のフォームチェックです。
頼ってくれるのはとてもうれしいですね!
今回は
- 前回と比較した連続写真でのフォーム改善点
- 本人が感じているパフォーマンス変化
- 球速を上げるために必要な修正点
について説明していきます。
特に球速を上げるために必要な修正点は
アンダースローの方必見ですのでぜひ参考にしてください!
![連続写真の投球フォーム](https://pitcher-room.com/wp-content/uploads/2020/01/ttr-1.jpg)
この記事の目次
以前の連続写真と比べた改善点について
フォロースルーでステップ足に体重が乗るように
この選手の前の連続写真は下の記事にありますのでそちらをみていただくと投球フォームの変化が
わかりやすいと思います。
何ヶ所か改善されている点があるのですが、
フォロースルーを見てみましょう。
![以前はリリースの後に上体が起きてしまい、右足に体重が乗り切れず、ボールに最大限の力を伝えられていませんでした。](https://pitcher-room.com/wp-content/uploads/2020/01/be1.png)
以前はリリースの後に上体が起きてしまい、
右足に体重が乗り切れず、ボールに最大限の力を伝えられていませんでした。
今回のフォームをみてみると
![フォロースルーでしっかり右足に体重が乗っています!以前のフォームと比べるとかなり改善されて力感が伝わってきますね。
右足に荷重がした状態で回転運動が行えるようになったことで
・体の回転スピードが速くなり、球速が上がる
・リリースポイントを前にできる
・下半身が安定することでコントロールしやすくなるなどのパフォーマンスアップが期待されます。](https://pitcher-room.com/wp-content/uploads/2020/01/l5.jpg)
フォロースルーでしっかり右足に体重が乗っています!
以前のフォームと比べるとかなり改善されて力感が伝わってきますね。
右足に荷重がした状態で回転運動が行えるようになったことで
- 体の回転スピードが速くなり、球速が上がる
- リリースポイントを前にできる
- 下半身が安定することでコントロールしやすくなる
などのパフォーマンスアップが期待されます。
もっとパフォーマンスアップするためには?
アンダースローはボールの位置をいかに高くできるかがカギ
本人から
「コントロールがよくなったけど、もっと球速を上げたい」
というリクエストがあったので
さらに球速を上げるために必要なポイントについて話していきます。
![アンダースローは地面に近いとても低い位置でリリースしますが ボールを加速させるのに必要なことは ポイント
テイクバックではボールの位置をなるべく高くすることです。この高低差が大きいほど球速がアップしやすくなります。](https://pitcher-room.com/wp-content/uploads/2020/02/9.jpg)
アンダースローは地面に近いとても低い位置でリリースしますが
ボールを加速させるのに必要なことは
テイクバックではボールの位置をなるべく高くすることです
この高低差が大きいほど
球速がアップしやすくなります。
みなさんベランダからボールを地面に向けて落とすとして
- 2階から落とす
- 10階から落とす
どちらの方がボールが加速するでしょうか?
当然、10階から落とした方がボールがどんどん加速していきますよね?
![テイクバックで腕を天井向きに引き、ボールの位置を高くすることができるとリリースまでにボールを加速しやくなり、球速アップにつながります。](https://pitcher-room.com/wp-content/uploads/2020/02/3.jpg)
アンダースローもそれと同じです。
テイクバックで腕を天井向きに引き、ボールの位置を高くすることができると
リリースまでにボールを加速しやくなり、
球速アップにつながります。
アンダースローは重心移動でグラブ側の肩を地面に近づける!
ではどうやったらテイクバックで
ボールの位置を高くすることができるでしょうか?
腕を思い切り後ろに引いて
テイクバックを大きくして調整しようとしている選手は要注意です!
肩関節は構造的に後ろに腕を引くのに向いていません。
無理に腕を大きく後ろに引いてしまうと
上腕二頭筋長頭腱炎など
肩の前側に痛みが出るリスクが高くなってしまいます。
肩に負担をかけずにボールの位置を高くするためのポイントは
グラブ側の肩を地面に近づけることで
投げる側の腕が天井向きに近づいてボールを高くすることができる
![写真4は重心移動を始めた瞬間です。 両肩を結んだラインが黒い線ですが、グラブ側の右肩の位置が高く、 そのために投げる側の左腕が天井向きになっていません。 これが、もし右肩をもう少し下げて地面に近づくと左腕の向きが天井向きに近づき、自然にボールの位置が高くなります。(赤線ライン)](https://pitcher-room.com/wp-content/uploads/2020/01/l4.jpg)
写真4は重心移動を始めた瞬間です。
両肩を結んだラインが黒い線ですが、グラブ側の右肩の位置が高く、
そのために投げる側の左腕が天井向きになっていません。
これが、もし右肩をもう少し下げて地面に近づくと
左腕の向きが天井向きに近づき、自然にボールの位置が高くなります。(赤線ライン)
腕を強引に引くのではなく、グラブ側の肩を下げる(体幹を回す)ことで
肩への負担をかけることなく、スムーズに大きなテイクバックをとることができるのです。
プロ野球選手のテイクバックを見てみましょう。
重心移動の初期でグラブ側の肩を大きく下げて
投げる腕が天井向きになりやすいように準備をしています。
そしてステップ足が着地する直前まで両肩のラインが変わることなく、
ボールが高い位置にありますね!
![この選手の場合、重心移動初期でのグラブ側の肩を下げる動きが小さく、 テイクバックでボールを高い位置に置く下準備ができていません。写真3くらいのフェーズからしっかりグラブ側の肩を下げて両肩ラインを崩さずにステップをすることができれば球速アップにつながるでしょう。](https://pitcher-room.com/wp-content/uploads/2020/01/l3.jpg)
この選手の場合、重心移動初期でのグラブ側の肩を下げる動きが小さく、
テイクバックでボールを高い位置に置く下準備ができていません。
写真3くらいのフェーズからしっかりグラブ側の肩を下げて
両肩ラインを崩さずにステップをすることができれば
球速アップにつながるでしょう。
太ももが直立したままだと体をひねりにくい
「グラブ側の肩を下げる」
といいましたが、これは正確にいうと
体幹をひねる動き(回旋)になります。
つまり、体幹をひねる動きが多いほど
ボールを高い位置にセットすることができます。
![この選手の重心移動の始めを後ろからみると 太ももが直立しています。(黒いライン) 太ももが直立したままだと背中の筋肉がピンと引っ張られた状態になるので
そこから体をひねるのが難しくなりますお尻がもう少し沈み込んで太ももが赤いラインくらいになると体幹をひねりやすくなります!](https://pitcher-room.com/wp-content/uploads/2020/01/l2.jpg)
この選手の重心移動の始めを後ろからみると
太ももが直立しています。(黒いライン)
太ももが直立したままだと
背中の筋肉がピンと引っ張られた状態になるので
そこから体をひねるのが難しくなります
お尻がもう少し沈み込んで太ももが赤いラインくらいになると
体幹をひねりやすくなります!
またお尻が沈み込むことで股関節のパワーをためやすくなるので
球速アップにつながります。
後ろからグラブ側の体幹が見えるくらいひねろう
最後にきちんと体幹を回せているかチェックする方法を紹介します。
- フォームを後ろから撮影します
- テイクバックで腕を一番引いている瞬間を見ます
- ユニフォームのグラブ側の体幹(右投手なら右半身)が見えているかチェック
うまく体幹を回してテイクバックをとれていれば
右半身のユニフォームのロゴが見えます。
右半身のロゴが後ろから見えています。
![この選手は体幹のひねりが少ないので グラブ側の体幹がほとんど見えません。 もう少し右肩を下げて体幹を使ったテイクバックをとることでボールの位置が高くなり、球速が出やすくなるでしょう!](https://pitcher-room.com/wp-content/uploads/2020/01/l1.jpg)
この選手は体幹のひねりが少ないので
グラブ側の体幹がほとんど見えません。
もう少し右肩を下げて体幹を使ったテイクバックをとることで
ボールの位置が高くなり、球速が出やすくなるでしょう!
まとめ
アンダースロー投手が球速を上げるポイントを説明しました。
腕だけでテイクバックをとるのではなく、
グラブ側の肩を下げる(=体幹のひねり)ことで
ボールの位置を高くすることができ
球速アップにつながります。
登板機会が増えているようなので
この調子で今シーズンも頑張ってください!
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