【過熱必至】プロ野球の警告試合とは?発生条件の徹底解説と過去の実例を紹介
プロ野球では乱闘騒ぎがあったあとに審判が警告試合を宣言することがあります。この記事では審判が警告試合を宣告する基準やその後の試合がどう変わるかについて解説しています。
警告試合になるとなにが変わるの?
警告試合になったら実際なにが変わるのか知っている方は少ないと思います。
結論からいうと警告試合が宣告されても試合自体は普通に進んでいきます。ただ、審判がその後の選手の行動次第であらゆる判断をしやすくなります。
みなさんぜひ警告試合の詳しい内容を理解してよりプロ野球通になりましょう。
- 警告試合になるとどうなるか?
- 警告試合が宣告されるケース
- プロ野球警告試合の実例
この記事の目次
警告試合とは
警告試合とは報復行為を禁止するための仕組みです。
警告試合は野球の基本的なルールを記した公認野球規則には明記されていないルールです。
プロ野球におけるセ・パ両リーグのアグリーメントとして規定されています。
- 別名「申し合わせ事項」
- プロ野球12球団の共通認識事項
- ゲーム進行をスムーズにするためのもの
アグリーメントの内容は一般公開されていないよ
アグリーメントとしての取り決めによって以下のような状況で審判が警告試合を発令できるとされています。
- 乱闘・それに準ずる行為があったとき
- 両チームが一触即発の状況になった場合
- 明確に故意と判断される危険球を投じたとき
よくある警告試合の流れはこちらです。
①ピッチャーが危険球を投じる
↓
②ベンチから選手が出て乱闘・一発触発状態
↓
③審判が警告試合を球場内にアナウンス
故意に危険球を投げるピッチャーは以前よりも少なくなりました。
しかし年に数回は乱闘になって警告試合が宣告されることがあります。危険球が警告試合の発端になることを覚えてきましょう。
警告試合が発生したらどうなるか
警告試合が発生しても試合自体は通常通りに行われていきます。
しかし、大きく変わるのが
「警告試合の宣告後は報復行為に対して審判が退場処分を言い渡すことができる」という点です。
今回の最重要ポイント!!
また、報復行為が止まらない試合展開になった場合は試合自体を中止することも可能です。
つまり、警告試合の意義はこのように考えられます。
不穏な空気になったときにその後の試合がハチャメチャにならないための予防線
報復行為の基準は決められていないので審判の判断になります。
報復行為と判断されやすい行動4選
審判に報復行為として判断されやすい行動は以下の4つです。
- 故意のデッドボール
- 故意に相手のケガを狙うプレー
- 暴言をはく
- ルールを逸脱した行為
1.デッドボールを当てる
ピッチャーがバッターにわざとデッドボールを当てる報復行為です。
デッドボールを当てる対象は警告試合を作った原因の選手とは限りません。
例えば、プロ野球では4番バッターが乱闘の原因を作ったら5番バッターに報復行為を行うことがあります。また、打者一巡してからその選手に行うケースもあります。
どちらにしても故意にデッドボールを当てると退場処分を受けます。
故意か故意じゃないかは投げた本人にしかわからないので、審判は判断するのが非常に難しいという課題もあります。
警告試合だからといって
デッドボール=ピッチャーは即退場
ではないことを覚えておきましょう。
2.スライディングなど故意に相手のケガを狙う行為
野球にクロスプレーはつきものです。
プロ野球選手は普段、相手にけがをさせないようにクロスプレーを行います。
安全なクロスプレーの例はこちらです。
- スライディングで守備選手にスパイクの刃を向けない
- 一塁ランナーで二塁にスライディングするときは守備の邪魔にならないようにする
- クロスプレーでグローブタッチするときはランナーの顔に当てない
このようにスポーツマンシップに則ってプレーしています。
しかし、このような暗黙のルールを破って危険なラフプレーが行われることがあります。
例えば、ランナーが二塁にスライディングする際、ショートに体当たりするような形で突っ込むといった感じです。
このような危険プレーは警告試合でなくても退場になる可能性があります。
3.暴言を吐く行為
審判や選手に暴言を吐く行為も退場の対象となります。
通常であれば注意や警告で終わるような暴言も、警告試合中であれば一発退場になります。
4.ルールを逸脱した行為
ルールを逸脱した行為も退場処分の対象となります。
- 意図的な走塁妨害
- 意図的な守備妨害
- ジェスチャーによる挑発 など
このような行為は警告試合では退場処分になります。
故意に行えばもちろんのこと、意図せずに行った場合でも退場となるケースがあります。
警告試合では審判の目がいつも以上に厳しくなるよ
選手が退場したら警告試合は発生しない?
乱闘騒ぎになると、警告試合の宣告前に騒ぎを起こした選手や監督に退場処分を下すときがあります。
一部の選手が退場になったとしてもその後に警告試合が発令されます。
さきほど話したように警告試合の意義は報復行為の発生を未然に防ぐための予防線です。
騒ぎを起こした選手の退場とは関係なく警告試合が宣告されることが多いです。
警告試合後の報復行為による退場事例
警告試合が宣告された後は穏やかに試合が進んでいくことが多いです。
しかし、中には警告試合の宣告後であっても報復行為が行われるケースもあります。
そうなると、球場全体がピリピリとした雰囲気で大荒れになってしまいます。
最近のプロ野球で大荒れの試合になったのが2019年8月13日の西武vsオリックス戦です。
この試合では合計3名の退場者が出て大きな話題となりました。
事のあらましは以下のとおりです。
この試合で西武投手陣はオリックスに対して合計17死球を与えたのですが、制球が定まらない西武にオリックスはイライラを募らせていました。
4回表
西武森脇投手がこの日3つ目のデッドボールをオリックス若月選手に与え乱闘発生
4回裏
オリックス田嶋投手が西武森選手にデッドボールを与え、これが報復行為とみなされて田嶋投手は一発退場
9回表
西武の平良投手がオリックス福田選手にデッドボールを与え、同じく一発退場
こちらがその場面の映像です。
刺激が強いのが苦手な方はみないでください。
ものすごいエキサイトしていますよね。
警告試合でデッドボールを与えると退場になる可能性が非常に高いという事がわかります。
歴代プロ野球の没収試合
警告試合中は審判の判断で没収試合にすることができます。
しかし没収試合は長い歴史の中で数えるほどしか発生していません。
野球における没収試合となる例はこちらです。
- 球審が試合開始時刻にプレイを宣告してから、一方のチームが5分を経過しても球場にいない、あるいは対戦を拒否
- 故意に試合を長引かせる、または短くするための行動
- 球審が試合の一時停止・打ち切りを宣告していないのに試合続行を拒否
こういった行為が行われると没収試合になります。
プロ野球で没収試合が適用されたことは10回ありますが、その一例を紹介します。
対戦カード
1971年 阪急vsロッテ
試合展開
ロッテの江藤選手が1ボール2ストライクからハーフスイングでバットを止めました。球審はボールと判定しましたが、阪急側がスイングアウトをアピールしてその結果、球審の判定がくつがえってストライクとなり、江藤選手は三振になった。この判定にロッテが不服として最終的に試合続行を拒否しました。そのため、審判が没収試合を宣告しました。
この当時の状況にはこのような裏話があったみたいです。
責任審判の田川豊一塁塁審がロッテ濃人監督に言った。
「このまま行けばロッテの放棄試合になる。お客さんにも申し訳ないし、ロッテは制裁金を支払わなければならなくなる。提訴を条件に試合再開をしてくれ。」
濃人監督はこの提案を突っ張ねた。
というのもこの時、ネット裏で観戦していた中村長芳オーナーの指示を武田和義球団代表を通じて耳打ちされていた。
「審判が判定を覆すまで試合再開に応じるな。試合放棄になっても構わん」
マナーを守らないと報復行為を受けやすい
報復行為はメジャーでも問題となっています。
メジャーでは「報復デッドボール」という言葉があるくらいです。
これはマナーを欠いた行為をした選手やチームに行われる傾向があります。
代表的なマナー違反にこのような行為があげられます。
- 大量得点差でリードしている側の盗塁
- カウント0-3からのヒッティング
- ダブルプレーを防ぐための危険なスライディング
- ホームランを打った後の豪快なバット投げ
こういった行為はメジャーのマナーとして行わないことが暗黙の了解になっています。
日本にも暗黙のマナーが存在します。
その掟を破ると相手選手が怒ってしまう場合があります。
日本のプロ野球で報復デッドボールを受けやすいマナー破りは以下の通りです。
- 大量得点差でリードしている側の盗塁
- 大量得点差でピッチャーが打者のときは打席の後ろに立ち三振する
- 引退試合のときにストレート勝負
- アウトになった走者がマウンドを横切ってベンチに戻らない
暗黙のルールはコアなファンであれば知っている人が多く、大量得点時に盗塁をしてしまうとブーイングを受けるケースも少なくありません。
警告試合と関連してこういった暗黙のルールをしっておくとよりプロ野球を楽しむことができます。
プロ野球に警告試合はつきもの
プロ野球に警告試合はつきものです。
プロ野球では以前よりも乱闘騒ぎになることは減りました。
それでも、年に数回は両軍がヒートアップする試合になって警告試合が宣告されることがあります。
警告試合になる条件を理解して今後のプロ野球観戦をより楽しむようにしましょう。
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