【アウトステップ】の原因と対策!原因を知って動作を修正しよう
今回のテーマは
【アウトステップ】です。
アウトステップで悩んでいる選手は
まっすぐのラインを足元に引き、そのライン上に左足をステップするように意識するけどうまくいかないことが多いのではないでしょうか?
そればかりかまっすぐのラインを意識しすぎて体重移動での勢いがなくなり、球速が落ちてしまったという選手っもいると思います。
アウトステップの原因はステップする左足の使い方ではなく
- 股関節・体幹の使い方
- 重心位置
この2つが大きく影響し、アウトステップの原因になっていることがとても多いです。
今回はその原因と修正するポイントについて話していきますので
- アウトステップが直らなくて困っている
- 開きが早い
こんな選手は参考になるところが必ずありますのでぜひ読んでみてください。
この記事の目次
アウトステップのあれかれ
まず、アウトステップとはなんなのか簡単に説明します。
アウトステップって何?
軸足から真っ直ぐに引いたラインが白い線になります。
この線の上に左足が着地していれば、真っ直ぐステップしていることになります。
この選手の場合、白い線より左バッター向きに開いて踏み出しています。
このようにステップする左足がまっすぐよりも開いて着地することをアウトステップといいます。
小学生はアウトステップになりやすい?
小学生、中学生、高校生の各年代でピッチング中にステップがまっすぐ出ているかを調べた研究があります。
上の図にあるストライド幅を見てください。
軸足からステップがまっすぐ出ていれば、ストレートステップでストライド幅が0cmになります。
もし、アウトステップになっていれば、この数字がマイナスになり、反対にインステップではプラス表記になります。
その結果は以下の通りです。
小学生平均 中学生平均 高校生平均 -6.6cm 0.8cm 0.1cm
小学生の平均は-6.6cmでアウトステップになったようです。
中学生は0.8cm、高校生では0.1cmでほぼまっすぐのステップになっています。
このような結果になった要因としては、小学生では、後述する骨盤・股関節の操作をうまくできていない選手が多いからだと思われます。
小学生の指導者・保護者の方はアウトステップになっていないか特に注意するようにしましょう。
アウトステップはなぜいけないのか
これからアウトステップのデメリットについて紹介していきます。
肘に負担がかかりやすい
まず、ケガ予防についてです。
アウトステップの傾向が強いほど肘の内側にかかる負担(肘外反トルク)が大きくなるといわれています。
ケガをしにくい投球フォームで投げるためには、アウトステップは修正するべき1つのポイントになります。
回転運動が安定しない
アウトステップのデメリットについて話していきます。
アウトステップだとステップ足が開いて着地することになります。
そのため、左半身・骨盤をリリースまでに回転しないといけない量が増えてしまいます。
ゴールが遠くなってしまうというイメージです。
そうするとピッチング中に左半身・骨盤が動き続けなければならず
左半身・骨盤でガチッと壁を作ることができなくなります。
本来はステップ足が着地して回転運動に移行するときに
左半身・骨盤は壁になります。(緑で囲っている部分)
この壁があると
右体幹・右腕をひねってMaxまで引き伸びたところから
壁に向かって安定して力強く回転をすることができます。
そして最終的に爆発的なリリースにつなげることができます。
アウトステップだと
この壁がないフワフワした状態なので
右体幹と右腕が力強いターンをすることができません。
少し話が脱線しますが、
チェコが発祥の
Dynamic Neuromuscular Stabilization
というトレーニング理論があります。
この理論の中で
固定点(サポート機能)と動点
という言葉があります。
この言葉は
どこかに固定点(支点のようなもの)がないと
筋肉ががんばって収縮(動点)して関節を動かそうとしても
グラグラして安定した動作になりませんよっていう話です。
この考えをピッチング動作の回転運動に当てはめると
左半身が固定点で右半身が動点になります。
左半身の固定(壁)があってはじめて
右半身の回転運動をスムーズかつ力強く行えることができます。
球速が上がりにくい
今説明したようにアウトステップでは
左半身の固定点を作ることができないので
リリースで力を効率良く発揮するこができません。
そのため
スピードボールを投げるのがむずかしくなります。
開きが早くなり、コントロールが安定しない
また、開きが早くなるため、
下半身・体幹の回転に右腕が連動せず
リリースポイントが安定しにくくなります。
とくにバッターに近いところでリリースすることはできなくなるので
- ボールが高めに浮きやすい
- スライダー回転になる
このような傾向が出やすくなります。
アウトステップの原因
ではなぜアウトステップになってしまうのでしょうか?
これからその根本的な原因と修正するときのコツについて話を進めていきます。
くの字を作れているか
次はアウトステップになる原因について話をします。
以前の記事で
後ろからのフォームチェックのポイントについて
まとめたものがあります。
この記事の中で
ヒップヒンジができていても早い段階で
体幹が直立してしまうとアウトステップになりやすい
という説明をしています。
この話について写真を使ってこれから説明します。
沈み込みのときにくの字(緑の線)を作るのが理想です。
この形があることで股関節のパワーもたまりやすくなります。
くの字をキープしたまま体重移動ができると
体全体の重心の位置が整いやすく、
ステップも自然と真っ直ぐに運びやすくなります。
しかし、
体重移動の早い段階で体幹が直立(青い直線)して
くの字がなくなると
体全体の重心が背中側に(赤矢印)にかたよります。
こうなってしまうと
体全体の重心が後ろにかたよった状態での
体重移動となるので
ステップ足の着地が
真っ直ぐよりも開いた位置(アウトステップ)に着いてしまいます。
アウトステップの修正ポイント
ヒップヒンジと体幹前傾での体重移動をしよう
アウトステップの根本的な原因は
重心が背中側にかたよっていることがなので
修正するときのポイントは
体幹と股関節・骨盤の動きを変えて体全体の重心位置を整える
ということになります。
体幹が直立(赤い直線)せずにくの字を作ったまま(緑の直線)
体重移動することができると
左足のステップ位置をあれこれ修正しなくても
自然にステップが真っ直ぐになります。
ただ、体幹の前傾を作るときに
体をただ前に倒せばいいというわけではなく、
「ヒップヒンジ」
の動きがポイントになります。
このヒップヒンジは
股関節・骨盤・体幹が連動した動きになります。
詳しいトレーニング方法は以前の記事でまとめていますのでそちらをご覧ください。
左手をきちんと使えていますか?
あとは開きが早くてアウトステップになっている場合もあるので
体重移動の左手(グラブ)の使い方も見直すといいと思います。
左手の使い方にもいくつかポイントがあり、
下の記事で詳しく説明してますのでそちらを参考にしてください。
まとめ
アウトステップは
- 球速が上がりにくい
- コントロールが安定しない(高めに浮きやすいなど)
などパフォーマンス低下の原因になります。
アウトステップは
股関節・骨盤・体幹の使い方が原因の場合が多く、
ステップする左足の位置を修正するのではなく
ヒップヒンジなどの使い方を覚えて重心位置が整うと
勝手に直ることが多いです。
アウトステップでなかなかパフォーマンスが上がらない選手は
ぜひ参考にしてトレーニング・フォーム修正をしてみてください!
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